増水、濁りの悪条件の中で、狙い通りに釣り上げた嬉しい1匹

 6月に入ると、ここ天竜川では鮎釣りが解禁となる。下流は大勢の餌釣り師達で大いに賑わいはじめるため、サツキマスを狙うアングラーはそれを避けるかのように、上流の友釣り専用区へと向かうことになる。特に大雨などで上流のダムの放水があった場合には、友釣り師が濁りを嫌って現れないことで、このエリアはサツキマスのアングラーの占有区間のようになってしまうこともある。
 しかし、ダムが放水中ということは、増水によって川幅も広がっており日頃の一級ポイントが攻められないということも意味する。さらに、ダムからの水は濁りを発生させ、極端な濁りの場合には全く釣りにならないことも少なくない。だが、そんな条件下でもアングラー達は上流に集う。それは、この時期に記録となるような大型のサツキマスが上流で釣れることを心得ているからである。
 今年は数、サイズともに調子が今ひとつといった印象を受ける天竜川のサツキマス。だが、昨年のような量、質ともに絶好調というわけではないが、今年も数多くのサツキマスが海から遡上してきていることは確かである。そのサツキマスが、今、どこにいるのかを推理しながらゲームを組み立てていく、これもサツキマス釣りのおもしろさの一つと言えよう。

 雨が降ったり止んだりの日々が続いている中、サラリーマンは中々、釣行日を自分で選べないことが多い。この日も、週末の休日を利用しての釣行だったが、ダムは放水中で増水しており濁りも残っていて条件としては、あまり芳しくないと思われた。未明からポイントに立つ、誰もいない上流での早朝の釣り。鳥のさえずりだけが聞こえている。河口から25km以上の上流は、同じ川であるにも関わらず、下流とは全く異なる趣を見せる。サツキマスが着きそうなポイントを次から次に叩いて移動していく。
 使用するルアーはデュオのグレイスミノー・エレナ70Fを中心にゲームを組み立てていく。エレナ70Fは発売直前のミノーであるが、既に下流でウグイなどに非常にアピール性が高いことが確認できている。個人的に、ウグイがよく釣れるルアーは、サツキマスにも利くと思っているが、これはあながち間違いでもなかろう。

 開始から約1時間半、これまで何のアタリもなかったが、流れが緩いプールと本流との境目でルアーに何かがヒットした。エレナのフックが大きなアユの背中に掛かっていた。一見して成魚放流のものと思える立派なサイズである。もしも、この鮎が縄張りを持っていたならば…。そのアユを意識しているサツキマスもいるかもしれない。
 もう一度、同じポイント、同じ深さへとエレナ70Fを導いてみる。先ほどと同じ泳層となるように、短めのジャークでいくらか潜らせて、そこでトウィッチを入れてルアーにヒラを打たせるようなアクションを加える。アユの着いている場所で、鮎の泳ぎを意識した攻め方である。先ほど、鮎が掛かったのと同じポイントにミノーが入った瞬間、グングングンと手応えあり、ヒットした瞬間にしっかりと針に掛かっているようである。次の瞬間、魚が水面を割って飛び出した。銀色の魚体、しかし、魚種が特定できない。この場所には、ニジマスやシーバスも多く、一瞬 では判別できなかった。

 その後、近くに寄せてから、サツキマス独特の朱点を確認して、やっと本命であることが判明。その後も、サツキマスは跳ねたり、ローリングしたりで大暴れを繰り返す。なんとかネットに入れたサツキマスのサイズは30cmを少し超えるぐらい。決して魚のサイズは大きくはないが、お気に入りのミノーを使って、しかも釣りたかった上流での1本に自然と笑みがこぼれる。
 天竜川漁協主催のサツキマスダービーへ登録するための写真を撮ってから、サツキマスを優しく川に戻してあげた。どこかの支流を経由して上流へ無事辿り着いて産卵できることを祈る。
 天竜川漁協では9月30日までの間、サツキマスダービーを開催しています。このダービーには、天竜川にどれだけのサツキマスが帰ってきているのかを知るという重要な役割があります。天竜川でサツキマスを釣った方には、是非ともご協力頂きたいと思います。




釣行データ

●釣行日:2008年6月7日(土) 天候:晴れ 気温19℃,西の風1m/s

●ポイント:静岡県浜松市・天竜川

●天竜川漁協遊魚料  年券:4000円  
               日券:1500円(現場売りはそれぞれ500円増し)

●タックル
 ロッド:スミス/マジカルトラウトMT−70L
 リール:ダイワ/カルディアKIX2004
 ライン:バリバス/スーパートラウトアドバンス5lb
 ルアー:DUO/グレイスミノー70F(SHアユ)など

●レポート/西城 雄二 プロフィール/静岡県内の海や川でのルアー釣りに熱中。季節により天竜川のサツキマス,遠州灘のヒラメ、遠州沖のカツオなどを追いかけています。DUOモニター
 
  Blog:釣り談義


 

川幅が非常に広い天竜川の河口付近とは異なり、上流では川幅も狭い。全く違う川にいるような錯覚に陥るほどである。

 

鮎がスレ掛かりすることは珍しくないが、このサイズの鮎が掛かるのはそう多くはない。鮎カラーのエレナ70Fを縄張りの侵略者と思って攻撃してきたのだろうか?

2週間前にエレナ70FとタイドミノーCD75で釣ったウグイ。この他に上流では、ニジマス、シーバスやコイなどが外道としてヒットする。その何れもが、サイズが大きいことも楽しみの一つである

今期のアベレージサイズといったところか…。しかし、そのサイズや魚体の可憐さからは想像もつかないほど、ファイトは荒々しく勇猛である

エレナ70F鮎カラーにアタックしてきた30cmを超えるサツキマス。河口から25km以上を旅してきた後でも、そのファイトは強烈である

エレナ50F同様に0.5mm厚基盤製リップを採用しているエレナ70F。極薄リップが生み出すクイックレスポンス、高強度の基盤素材が可能にしたロングリップ潜行能力、アングラー次第でそのアクションは無限

高強度の基盤製リップにさらに補強を施す。左のミノーのように、リップが削れるほど使い込んでも、リップ破損に至っていないのは特筆の耐久性能と言えよう

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