●今年は熱いぞ! 秋アオリ

 一部エリアではすでに始まっているが、ようやくスタートを迎えようとしている秋アオリ。ところが、近年の平均水温の上昇が直にアオリイカの生活環境に影響を与えているといわざるえない状況。それがエギンガーの釣果によって示されてきている。
 四国地方以南では珍しくないのだが、種の保存が原因なのかどうかは定かではないが、八月下旬に未だ卵を持った大型のアオリが釣れている情報を幾つも得ている。この現象は年々増える傾向にあり、これから来年、再来年と、どんどん加速化していきそうだ。
 腕達者なアングラーが増えてきたともいえるのだが、なぜ? に対する好奇心のあるエギンガーが増え、ネットを通じ比較的簡単に釣果情報を得ることができるようになってきている。ここFISH! でも雑誌とは違った新鮮な情報を得ることができ、アングラーの情報収集力は増加の一途をたどるアクセス数からも裏付けられている。これに比例するかのように、エギンガーも例外なく増えてきている。
 そこで今回は、秋の基本的な攻略方とタックルについて書いてみたいと思う。

●秋アオリと呼ばれ、釣れる時期

 秋アオリの釣れる時期。それは瀬戸内・山陽側では、今時期から冬の12月までは釣れる。山陰は対馬海流の影響を強く受け、真冬でも山陽より暖かい海水温を維持するため、発電所等の温排水周りでは年中釣れているようだ。ただし1、2月の日本海は荒れることが多く、エギング日和が少ないこと、船からの釣りがメインになることがあげられるので、まだその広がりは見せていない。瀬戸内でも12月中旬の天候の良い日迄は釣れ続くだろう。

●ポイント

 現在は産卵場近くの海面穏やかな漁港やワンドに群れで溜まっているのが見える状況。そろそろ流れに着きはじめ、小型のアミ類中心だった捕食対象も効率のいい、小イワシ、アジ、メバル・スズメダイやエビ・カニの甲殻類、そしてボトムのキスやハゼ等、なんでも捕食対称に変わっていく。潮通しのいい、アマモやホンダワラ等藻の生えている場所であればどこでも釣れると言っていい。
 そして大きな潮流の当たる側で岩や藻の裏側、つまり反転流ができる側に貯まる傾向が強い。また、産卵の早い南西側がサイズがいいが、第一陣・第二陣のサイクルを確認しながらラン&ガンすると、長期に渡り安定した釣果を得やすいかもしれない。

●タイミング

 シーズン初期の現在ボトムをあまり意識する必要ない。集団で行動する今、美味しそうなターゲーットは何匹かで奪い合いをすることが多い。常に競争社会で生活している反面、お互いの身を守るためでもあり、小さな変化にも敏感に反応する。人影やモノ音にまで…。つまり着水時点で気づいていることが多いということ。
 一方、エギンガーの増加により流速の弱い場所では、スレた(反応しずらい)アオリイカも多いが、基本に反して、エギサイズを上げてやると着水と同時に近づくヤツさえいたりする。アオリイカの習性から、抱こうと思って抱けない状況を作ってやると、興奮して体色が真っ黒く変化する。こうなればいただいたようなものた。
 など、いろいろな誘い方があるが、どれも有効だ。例えば団体生活をしているアオリの中には、ボトム付近のスローな棒引きにしか反応しないヤツもいたりする。釣れている方のシャクリを真似してみることが一番の近道だが、誰も釣れていない時、人と違ったレンジやシャクリを試すのも一手だろう。

●アタリとアワセ

 まずアタリに関して。ラインの変化をどこで察知するかによって、エギでの誘い方が変わるのもエギングの魅力だが、日中は目と手でアタリをとり、夜間は手でアタリをとっていく。つまりラインが海面に隠れる場所を集中して見てアワセる場合と、シャクリのあとやドリフトでできるだけラインテンションを掛け、手に伝わるアタリでアワセる二通りがある。これは鍛錬によって釣果に大きく差が出る部分。想像とチャレンジあるのみだ。今年からはじめるエギンガーには強くおすすめしておきたい。
 秋の早期10月末迄のエギングに強いアワセは必要ない。アオリの小型(300g程度のモノ)は、身も軟らかいが、触腕はもっと軟らかく、エギを抱き逃げようとするタイミングとアワセのタイミングが重なってしまった時、触腕だけがカンナに掛かって上がってくるという悲しい現実が待っていたりする。自身何度も失敗しているし、今だ苦笑いしながらそのゲソを頬張ることも少なくない。しかし、そのアオリイカは餌を捕ることができず、死のみが待ってる。どうせなら全てを食べてあげたい。

●ベストタックル

 ここ最近のタックルは2分化されてきている。昔、というか元に戻りつつあると言ってよいのかもしれない。特に秋から冬アオリを狙う場合。激しいダートで誘い抱かせて掛ける、を重視したエキストラファーストな棒のようなロッドと、繊細なアクションで誘い乗せ・引き味を重視するモデラートからスロー気味なアクションに近いものに大きく分かれる。
 特に最近の傾向として挙げられるのは、ファーストテーパーでありながら一定以上の加重がかかるとモデラート、またはスロー気味なアクションができるモノが増えてきている。ミドルからディープレンジや激流で掛けていきたい時は前者。シャローで多彩なアクションを演じ、アオリの引き味を楽しみたい時は後者と使い分けたい。
 私が使っているスミスから、9月中旬、水深5〜10mで3.5寸(18〜22g)のエギをアングラーのイメージ通りにビタッっと決めてくれるSH-82SD(スラッシュダート)が発売となる。これは、縦・横の激しいシャクリも気持ちよく行え、シャクリ音は高め。水中のエギの動きや向きをよりイメージしやすくするため、無駄なスラッグが出にくい設定になっている。
 そしてもう一本。手首の負担の心配のない女性にも優しい、シャローサイト用のSH-78SSもリリースされる。こちらは汎用性高くこれから始まるイワシ着きのシーバストップゲームやロックフィッシュでも十分対応できている。注目のヘビカバチヌゲームにもピッタリな汎用性の高い仕上がりだ。
 両者ともに、まず軽さに驚かれることと思う。ぜひ、リールをセットし手にとって見ていただきたい。



 これから10月の声を聞き始めると、強い北東が吹く日が多くなる。そんな時、足場の高い波止や地磯でロッドを斜め下に下げてエギをダートさせたり、ティップを下げてアタリを取りにいかなければならない状況に遭遇する。ラインを細くすることで得られるアドバンテージだけでなく、ロッドバランスからくるアドバンテージ。集中力の持続を、ぜひ体感していただきたい。
 ちょっとしたエギの動きの違いが、大きな釣果の差として現れる事が多いのもエギングの悔しく、楽しいところだ。

●まとめ

 春の日照時間の影響で、産卵が遅れ気味だったことと、冷夏せいか、新子の成長は二潮ほど遅れていると感じている。しかし今年のアオリイカは数が多い。ここ瀬戸内では幸いなことに、今年大きな台風の接近もなかった。秋雨が長く続く年に大型台風が来た記憶はなく、影響を大きく受けた昨年より良い状態が予想できる。気象庁の予想でも今年11月迄は平年より暖かくなるとされ、水温20℃を境に一気に深場へ落ちていく時期を遅らせてくれそうだ。
 それからが、一番楽しい時期になるのだけど、それはまたの機会にでも。乱獲は避け、トラブルのない安全なプランと釣行で楽しんでいただきたい。



 

春に釣れなかったアオリイカ。それだけに今秋は大漁が予想される!?

 

i磯周りで好調。なかでも藻場や岩礁帯など、より釣れる要素を探し出そう!

サイトフィッシングでも楽しめるようになる波止エリアはビギナーにもおすすめ

アワセのタイミングを覚えて身切れを防ごう

私が使っているスミスのスクイッドハーツ・SH-82SDは扱いやすくておすすめ!

 

新子の成長は冷夏せいか、二潮ほど遅れているのでは? そのぶんアオリイカは数が多い

 
 

これが私のエギングスタイル

 

■プロフィール/林 太一朗
ロックフィッシュからエギング、チヌ、シーバスにいたるまで、SWゲームならなんでこいのサップ兄貴。スミス・フィールドモニター、ピュアフィッシングモニター。ブログ:With Nature


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