アイスジグにチャレンジ!

 数日前…

私「アイスジグ? 知ってますよ」
T氏「どこ行ったら売ってるかねぇ?」
私「そう言えば、どこも置いてないですね。あれば欲しいんですけど」
T氏「あったら絶対買うよ! メバルなんか狂ったように襲ってくるんじゃけぇ」
私「……」

 こんな会話をした記憶がまだはっきりと残る程、日が浅いこの頃…。どうやらラパラのアイスジグを使っての実戦釣行ということで、山口県の上関へ行くことになってしまったようだ。ポイントを決めたのは昨日、頼があったのが一昨日。風も涼しく少し肌寒い秋晴れの9月24日早朝。私は上関大橋近くの比較的大きな港の防波堤の上に立ち、偏光グラスをかけて水面を見つめ、魚の気配を探っている。正面から吹いて来る夏とは違う乾いた潮風が何とも言えず心地良い。

 今回はアイスジグは誰でも簡単に釣れる! ということで、パートナーとしてビギナーの女性と同行した。しかし、彼女に釣らせるという使命があるにも関わらず、簡単に釣れるとの噂で油断しきっていた私は現場に来て初めて任務の難易度に不安を抱えるのであった。私自身も初めて使うルアーだというのに、独断と偏見で計画も立てず、行きたい所へ行ったものだから、当然といえば当然か。
 少しポイントを視察してロッドを握ったのは6時過ぎ。港の内側に向けて張り出した小さな防波堤周りから探ることにする。まずは3gから使用開始。紹介が遅れたが、今回のパートナーはまきこちゃん。ここでは以後、本人の希望で「まきぶ〜」と呼ばせていただくことにする。

ビギナーでも簡単に釣れるか?!

 さっそく、まきぶ〜がとった行動は、アイスジグを足元に落として8の字ジャーク。そう、噂のフィギュアエイトである。知ってるはずもない使い方を教える前から実践して、「見て見て! なにか寄って来たっ!」だって。教えるはずの私の立場がない…。
 確かに凄い集魚力! しばらく見入ってしまうほどだ。実際この場所でバイトに持ち込むことは容易であったが、魚が小さいのかすぐにフックアウトし、アナハゼぐらいしか食い込んでこない。いや、アナハゼとはいえ、もう釣れている事実が驚きである。
 私は、まきぶ〜にポイント移動するように声をかけ、港を囲う外側の大きな防波堤に行くことにした。外の海流にのせて流したらプチ青物が遊んでくれるような気がして、「釣らせる」ということなど、この時は記憶の片隅に追いやられ、「自分が釣りたい」にスイッチが切り替わっていたような気もする。そして外側の防波堤の中程まで来た時、私は「外向きをやってみよう」と声をかけた。それに対し、
まきぶ〜「え〜? 先端の方が釣れそうだからあっちへ行く」
私「……」
 と、言う事を聞いてくれない(まあ、テトラは危ないからいいか…)。仕方なく私だけ少し外を攻めて、あとで先端で合流しようということになり一時別行動となった。

 係留ロープなどの根掛かりさえ気を付ければ、足場の良い所での釣りができるので、テトラや地磯に不慣れな女の子を連れて行くよりも安全性が確保でき、さらに釣果によっては満足度も上がったりして初心者でも手軽に楽しめるであろうことがうかがえる。
 そうこう考えていると、キャストしたアイスジグになにかが追いかけてくるのが見えた。アジだな(アレは捕れる!)絶対的な自信がよぎる。私のスカウター(お気に入りの偏光グラスのあだ名)はベ○ータのそれより性能が高いと称され(?)、獲物を見間違うことも見逃すこともない(おそらく)。もちろん相手の戦闘力(?)も見抜いていしまう。
 次のキャスト、先程アジが戻って行った方向と潮の流れを見てアジの群れの位置を予測する。その位置に対して潮の流れの上側のに落としトゥイッチングを開始すると良型のアジがトゥイッチからフォールに移る瞬間を引ったくっていった。予想どおりである。「くぅ〜〜、気持ちいいーっ!」と思わず口に出てしまうが、ふと我にかえりアジを慎重に寄せる。ライトタックルで掛けるとよく引いておもしろい。おまけにアタリがわかりやすいのもこのルアーの利点と言えるだろう。1匹釣ったことでテンションも一気に上がった。うれしげに振り返ってギャラリーを探すとネコが1匹…。まきぶ〜は見向きもせず先端へ向かっていた。しばらく見詰め合う1人と1匹…。ネコは、なにが楽しいんだかという表情である。

 とりあえず、まずは1匹目! というところだが、外向きは見切りをつけ、まきぶ〜のいる先端へ向かうとなにやら様子がおかしい。近づくと凄い数の魚が集まってきているのが見えた! これなら女の子も夢中になるはずだ。改めてアイスジグの魚の好奇心をくすぐる能力の高さに驚いた。透明度の高い水域でなら、なおさらだろう。
 声をかけると2匹ほど掛けた魚を抜き上げる途中で落としたとか。彼女ももちろんアイスジグは初めて使う代物である。いや、ルアー釣り自体まだ日が浅いというのに、ここまで楽しませてくれるのなら釣具屋で売り切れるのも納得がいくわけだ。
 私も横に並びキャストを開始するとさっそく深い層からロッドに生命反応が。すかさずアワセを入れると、小気味良い引きが伝わり、またしても良型のアジが上がってきた。サイズは25cmを超えるほどのコンディションのいいマルアジである。そしてやはりフォール時の速度がキモになるようだ。
 次も底を意識してフォールで誘う。コンッ! という小さなアタリをすばやく拾うと、これまでのアジとは明らかに違う強烈な推進力が伝わってきた! ドラグが鳴き、ラインが出るも移動速度がハンパじゃない。まさか? とは思ったが深層を横切る姿はやはりサバである。スリリングなファイトにまきぶ〜も興奮気味に…。しばらくやりとりをして引き抜くと、まきぶ〜は自分が釣ったかのように喜び、「サバ釣った人初めて見たよ!」と感動した様子。楽しんでもらえたのなら釣って良かったとこちらも思う。ちょうどこの時、地元のサビキ釣りの人たちが来たので場所を明け渡して次のポイントへ。

五目釣りが楽しめるアイスジグ!

 今度は上関大橋を渡り島の方の港へ来たが、ゆっくり落としていくアイスジグが、岸から離れてバックしていく? よく見るとアオリイカが引っ張っているではないか! 当然アワセても乗らないのだが、放しても別のアオリイカが持っていく! 愛嬌があり、見せ物としては楽しいのだが、こればっかりもしてられない。そこでアオリを避けるためにアイスジグを5gにチェンジし、底を早いトゥイッチングで攻めることに。すると、ゴツゴツッ! っとワンキャスト目から明確なアタリでカマスが乗ってきた。結構大きいのでこれは迷うことなくキープ決定だ。
 どうやら噂どおりなんでも釣れるらしい。サビキ代わりの五目釣りには最適だ。ただし、カマスの場合は、いくら釣れるルアーといっても見切りが早いので、カラーローテーションなど、ケース・バイ・ケースに合わせよう。そして、的確なポイント移動も、確実に魚を釣り続けるための基本的な手段ということも頭に入れておきたい。


偏光グラスで覗いてみるとメバルがたくさん! サイトフィッシングも楽しめる。これからの時期、ぜひとも用意したいフィッシングギアだ

 次のポイントは大畠漁港、ここは根魚をメインとして挑みたいエリアである。つまり、カサゴや夏に釣り難いメバルなどの捕獲を期待してのこと。まきぶ〜にアイスジグを底まで落としてから、少し巻き上げた所で小さくトゥイッチを入れるようにアドバイスし、根魚を誘い出す。動かし方は誰でもできる上下運動だけ。それが基本のアクションなので全く簡単に魚を釣ることができるのだ。
 しばらく歩きながら落とし込みをしていると小さいながらカサゴが出た。まきぶ〜はいろいろな魚を見られることが新鮮な体験のようで、一言めには「食べられる?」と聞いてくる。どうやら本人は食べたいらしい。続いてチビメバルがヒット! 根魚にもアピール度は抜群のようだ。当然リリースの対象だが、小さくてもこの時期のメバルはうれしい。
 もう午後になり日が傾きかけているにも関わらず、まきぶ〜は夢中で際の落とし込みをしている。もう終わろうかと声をかけようと思った瞬間、ロッドの先が少し絞り込まれ動かなくなった。これは大物がルアーを一飲みにした時にでるアタリ。おそらくデカい!
 まきぶ〜は、まだなにが起きているのかわかっていない様子。次の瞬間異変に気づき、アワセを入れたロッドのしなりに表情が変わる。引き抜けないサイズに私も緊張し、身体が汗ばむ感覚を覚えた。尺はないが、かなり太くて大きい! 27、28cmというところか。階段を下りてハンドランディングしたそれは、まぎれもなく本日のビッグワンだった。
 私「ラパラかぁ。アイスジグ…」
 まきぶ〜「すごいね〜…」
 そう二人が言ったあとの言葉は何通りあっただろうか。ここまで魚種を選ばないルアーも珍しいかと、あとでしみじみと思う釣行だった。今日は良い釣りができた。大物に出会えたことに満足し、タックルをかたづけ車に向かう。日が傾き、影が伸びる防波堤をふらふらとフナ虫を追いながら帰路につく二人には満喫できた最高の笑顔がこぼれていたことは言うまでもない。

サビキ感覚で楽しめる!

 アイスジグは、誰でも簡単に釣れて手軽に楽しめると釣りだが、今回の実戦で感じたのは奥の深さでもあった。トゥイッチの間隔やリズムにより、いろんなアクションを生み出し、リズムを操ることで、8の字だけでなく、ひたすら右や左に反れて行かせることができるからだ。すでに気付かれた方も多いと思うが、例えば係留された船に沿ってキャストし、巧みなトゥイッチングでアイスジグを船の下へ送り込むということもできるのだ。ビギナーの方はもちろんのこと、熟練のアングラーの方も、一度試してみてはいかがだろうか。

●釣果はコチラ! >> じゃか巻きF8で回遊魚狙い/じょーじ山本
●アイスジグ入門はコチラ!  >> フィギュアエイト入門
●F8がわかる!  >> 塾長じょーじの気まぐれ釣行記


 

待ちに待ったアイスジグ。現在各ショップに続々入荷中です! 買い溜め必至!

 
 

ポイントは、ごくごく普通の波止でOK

 

足元で8の字を書くようにトレース。これがフィギュアエイト(F8)と呼ばれる所以。簡単だ

初釣果はアナハゼくん。食べられないが引きはおもしろい!

バックリです

表層を巻けばアジが狙えます

 

足元まで来てもすぐに上げずにフィギュアエイト。すると…

 
 

パワフルファイトが楽しめるサバがヒット!

 
 

オンシーズンのカマスだって楽しめます

 
 

今度はヘチ際のボトムを探ってみることに…

 
 

プレシーズンのメバルまでゲット!

 
 

締めは軽く25cmオーバーのカサゴをキャッチ

 

誰でも気軽に楽しめるアイスジグ。これから行楽シーズンにファミリーフィッシングなんていかがでしょうか!


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