●はじめに

 AR-Jigとガルプサンドクラブフリーとの組み合わせた新しいテクニック。お蔭様で、多くの方に支持していただき、山陽のみならず姫路エリアをはじめ九州エリアにまでも注目を集めたと聞いている。しかしながら、当初はまだリグの名前がなく、アングラーから「コレをなんと言うか」という問い合わせが多ったようで、誰もが覚えやすいようにと、「ARリグ(AR=オールレンジ・全層を攻略できる)」と名前をつけることにした。決して「珍○際」ではないので、お間違えなく。今回はそんなこともあり、初心に戻り改めてこのARリグ」のセッティング方法等を紹介していこう。

●Mリグとの違い

 流れが作り出す地形・地質を重視し、硬い干潟エリアや硬い砂地に生息している甲殻類やベイトの多いエリアで、ストラクチャー(人口障害物)やカバー(自然障害物)近くのチヌやキビレが出入りするその外側を狙ったり、回遊ルートとなりやすい沖のブレイク付近を狙うのがMリグ。
 対してARリグは、今まで攻めきれなかったカバー&ストラクチャーをダイレクトに狙うことができるリグである。この出会いにより、チヌのヘビーカバーゲームが新たにカテゴライズされたと思っている。

●製品説明

 すでにお持ちの方も多いと思うが、核となるのがスミスのARジグ。特長はジグヘッドにリップが付いており、オールレンジを泳ぎきるジグヘッドとして発売されている。
 この透明なリップは、デスクマットのクリアシートのような素材でソフトに仕上がっていて、ジグヘッド自体に角度を付けたスリット(溝)が入っており、そこにソフトリップを埋め込んである製品。つまりリップは360度回転し、かつリップの長さがフックポイントギリギリに被さるように設定されているので、非常に根掛りしにくい構造となっている。ウエイトは1.8〜21.0gまでバリエーション豊富で、さまざまなターゲットが狙えるリップ付ジグヘッドといっていいだろう。
 チヌ・キビレをターゲットにする場合、1.8gから8gまでを使用しているが、飛距離・バイト誘発率からして5.5gを中心に使用している。シャロー止水域(河川河口では潮止まり)では1.8〜3.0gが良い場合もあるが、急流や水深の深いエリアでもフッキングの都合8.0g迄。広島市内河川から港湾であれば3.0gと5.5gがあれば十分。
 続いてガルプ・サンドクラブフリー。バークレイガルプシリーズは、バスフィッシングの本場アメリカで専門学者が、魚の好む匂いと味を徹底的に研究開発されたエキスに漬けられている。餌より集魚効果が高く、追いを見せる最後の判断で躊躇するチヌ・キビレが匂いの誘惑に負け咥えてくれる。狡猾な魚に対し、長い時間咥えさせることにおいて、現存するワームの中では最強といえる。なかでもサンドクラブフリーはシルエットの厚さから、数時間使用しても集魚効果アピールは強く、翌日でもそのまま使用することができる。

●装着方法

1.ARジグにガルプサンドクラブフリーを装着する。
画像の通り、真直ぐに装着すること。これにより低重心で安定しブリブリとした泳ぎをしてくれる。また、ゴロタ石の多いエリアで転がっても、ソフトリップの側面とワームの丸い背中が反動を作り、常にフックを上に向けようと作用してくれる。

2.ARジグパッケージ内に入っているワームキーパーを装着する。
このワームキーパーはグロー(蓄光)でできており、ピンポイントでチヌ・キビレにアピールしてくれる。食いが渋い時にその効果を感じることができる。ワームキーパーを付けなくてもサンドクラブフリーは他のワーム程チギレることはないが、ワームを根掛りやチヌ・キビレの激しいバイトから守ってくれ、ハズれにくくしてくれる。
以上簡単に完成。

●注意点

 ソフトリップの向きはジグヘッドアイ(ラインを通す穴)の延長線上へ真直ぐ上向きに調整すること。リップが左右どちらかに大きくズレると泳ぎが極端に悪くってしまうからだ。リップを反対の真下へ向けてもリトリーブ(リールを巻く)角度とリップの角度が広がりすぎて、クルクル回ってしまう。パッケージに入っている通りに使用して頂きたい。また根掛りを外した時にリップがズレることがあるが、これも必ずチェックして戻すこと。また根掛りの多いエリアで使うことが多いので、リーダーのチェックはこまめに行うこと。

●カラー

■ARジグ
ブラック・オリーブ・ピンクパールと3色ある。多用しているのはブラックとオリーブだが、バイト数やバイトの強さ、それによるフッキングのしやすさは、オリーブだと感じている。これは水質がクリアであればあるほどその差は感じているが、逆に濁りの激しい時、またフォール中やボトムに着いて直ぐのバイトはブラックの方が多く。縦ストとカバーでの使い分けが有効だと感じている。もちろんピンクでも問題ない。
■ガルプ
ルートビアゴールド(深赤)・リップラインマッド(深緑+ヤマブキ)がおすすめだが、ニューペニー(銀に黒いドット)・オレンジバーン(赤+オレンジ)・ブロードウェイブラウン(ヤマブキ+ピンク)の計5色が実績高い。現在の8色あるが、近々待望のオールブラックが追加リリースされることになりそうだ。これはボートチヌや縦のストラクチャーで活躍が期待できる。

●基本アクション

 デッドスロー(超スローな棒引き)が基本。カキ殻がグチャグチャにくっついているゴロタエリアでは棒引きが不可能であるため、リフトフォールが基本となる。ゴロタの点在するエリアでは棒引きとリフトフォールの組み合わせで対応したい。一度岩に掛け、外れた瞬間のバイトが結構あるので、リフト頂点からボトムに着いていばらくは特に集中すること。

●ガルプパッケージ管理

 ガルプシリーズは成分解性ワームとなっており、自然に優しい商品だとされている。ただし空気にふれ続けると硬く収縮し、小さくなりガチガチなってしまう。パッケージはジップロック式になっているので、左右どちらからか、しっかりと閉じて頂きたい。そうすれば開封しても分解しないし、「よっちゃんイカ」のような匂いも広がりにくくなる。

●フッキング

 ジグヘッドを使用した場合、メバルやカサゴと違いチヌは口の歯が硬くなかなかフッキングしない。この時チヌの歯の奥へ掛けるか、地獄といわれる口の横へ掛ける二つの方法が挙げられる。落し込みや前打ちでは上顎へ掛けるため大きめな針を、フカセやハワセ、渚釣りでは口の横へ掛けるため、小さめな針を選択されることが多い。つまりアングラーと魚の位置関係により、フッキングの仕方や理想のフックサイズは変わってくるもの。
 ではARゲームではどうだろう。ステージが浅場、ウナギ仕掛けを示す竹杭やカキヒビ等の縦のカバー&ストラクチャー、潮位が上がり岸際に寄ったゴロタ石の散ばるヘビーカバー、そして係留船回り。キャスティングによるボトムで、なおかつシャロー(50cm〜3.0m程度)を中心とするこのゲームでは、高い岸壁から足元を釣る場合やフォールのみで釣りたい場合以外、口の横に掛けるようなスイープなフッキングが理想となる。
 残念なことに、現在ヘビーカバーを前提としたこれらを満たすフックが存在しない。ARジグはバス用に開発されたもので、吸い込み型の魚に対し有効なフック形状をしている。つまりその日100%フッキングできる日もあるが、100%乗らない日もあるのだ。現状ではチヌに限っては完成されていない。タックルのバランスや流れ、風が起こすラインスラッグの出し方や流し方によってフッキング率が大きく変わる理由はここにあると感じている。ゲーム性を上げるといってしまえば簡単だが、魚が豊富であり居場所や釣り方がわかってきている以上、誰もが釣りやすい理想とするフックが出てくることを望んでいる。

●フッキングUPのススメ

 上記にも挙げたが、チヌ・キビレに対し少しだけ改良を加えることで、小型のチヌ・キビレでも多少フッキングさせやすくなることがわかってきている。
第1にシャンクをプライヤーで掴み少し上向きへ曲げる。
第2にバーブレスにしてやる。
第3に針先をネムラす。
第4にサンドクラブフリー1/2インチに替える。
1〜3は粘りのあるフックですが折れる可能性があるので、慎重に作業して頂きたい。おそらく、上記でフッキング率は感じられるほどにUPするはずだ。詳しくは画像を参考にしていただきたい。

●今後の動き

 現在、落ちアユや落ちキスの行動が見られる。つまり魚が集まり、釣れるスポットも変わってきており、誰でも簡単に釣れる状態ではなくなってきている。同じ岸際でも完全なオープンエリアでの干潟周りでは、バイトすらない得られないことが多くなってきているし、杭廻りに至っても以前ほどのバイト数はない。この時期からノッコミのはじまる3月中旬(河川河口は早い)は、まだまだ情報が少なく未開拓なのが現状であるため、どこかのチョットした深みに溜まっているのかもしれないし、定説通り多くは海に戻っていくのかもしれない。
 今後河口域では北風が強なり水もよりクリアになっていくが、ここ最近もその状況に近い。現在ははっきりとその住み分けが、釣果の中から見てとれ、岩が多い場所付近、海側では硬い砂地エリアでのみ釣果が伸びている。このハードボトムがもしキーワードになるのであれば、新たな発見が確立されることとなる。また、海に帰る多くは島嶼部で多く見られる。上蒲刈の大浦〜宮盛や倉橋の重生周辺、早瀬周辺・能美・江田島辺りにはカキヒビも多くあ、り狙ってみる価値十分。アオリのついでに狙って見てはどうだろう。  
 今後もチヌの動きに注目していきたいと思っている。バイト数は極端に減ったが、それでも市内ハードボトムでは2時間程で未だ十分(10〜20回)なバイトのある今、是非挑戦してみてはいかがだろう。

●AR-Jigメソッドとは >> ヘビカバスタイル・ボトムノックするジグヘッドAR-Jig
●釣果はコチラ! >> With Nature
●その実力は? >> DRAGON LOOP
●AR-Jig >> スミス製品紹介



 

ただいま西日本で大ブレイク中のARリグ

 

スミスのAR-Jigとワームの組み合わせで、カバー&ストラクチャーが狙えるのだ!

えりまきリップがAR-Jig。この特徴を生かしたのがARリグ!


基本は真っすぐ装着。釣り場では焦って装着せず、ゆっくり丁寧に。釣果に差が出るぞ

正面から見ると、えりまきがフックを大きくガード。これで根掛かりが防止できる

 

現在マッチング良好なのがサンドクラブフリー

 
 

ボトムを感じるようデッドスローアクションで

 
 

バイトは多いがフックアウトも悩みの種。魚のサイズに応じて使い分けたい

 
 

カキ殻やハードボムもなんのその!

 
 

加工前(左)と加工後。バーブレスにしてシャンくを少し上向きに

 
 

新しいメソッド、AR-リグ。秋〜冬シーズンが楽しみだ

 

■プロフィール/林 太一朗
ロックフィッシュからエギング、チヌ、シーバスにいたるまで、SWゲームならなんでこいのサップ兄貴。スミス・フィールドモニター、ピュアフィッシングモニター
ブログ:With Nature


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