●グレイスミノー・エレナに注目!

 今回は、河川で瀬を攻略するためにデュオから発売されているトラウト用ルアー「グレイスミノー・エレナ110と130」を紹介したいと思う。私は、某トラウト専門誌で始めてこのルアーを目にしたのだが、その第一印象は「タイドミノースリム120をトラウト用に名前を変えただけか!」が正直なところだった。おそらく私と同じ印象を持った人は多いのではないだろうか。しかし、実際手にしてみるとスリム120とは大きく違うルアーに仕上がっていた。
 グレイスミノー・エレナは、抜群の水絡みで定評の高いスリム120よりも、水絡み能力が洗練され、フラッシング効果も高かまっており、トラウト用とあるがシーバスゲームにも十分使える強度をもっている。河川でのサクラマスがターゲットに発売されているが、サクラマスシーズンまで置いとくのはもったいないので、今回はシーバスも射程にいれた説明を加えたいと思う。まずはサクラマス狙いでの瀬攻略ルアーの必要性について、少しだけ私の考えを述べたい。


●瀬攻略ルアーの必要性

 私は河川でサクラマスを狙う際、サクラマスの細長い物に興味を持つ習性や、高いスイム性能からスリム120をよく使用する。しかし、河川本流域の流速が猛烈に速いポイントでは、引き抵抗が発生したり、泳ぎが安定せず水面を割ってしまったり、ボディーに水が乗りすぎて沈みすぎたりすることがあり、そこにサクラが定位している可能性が高いにも関わらず、攻め手がなく断念といった場面がありストレスを感じていた。
 以前から「サクラマスが瀬に入るのはシーズン中後期になってから」とよく言われている。確かに雪代が入って水温が低下している時に多く、サクラマスは瀬を嫌い、トロ場にジッとしているのかもしれない。当然、トロ場にいるサクラマスは活性も低く、アングラーに入れ替わりに叩かれ、ルアーを追いにくい状況だ。しかし、全てのサクラが瀬に入らないわけではないと私は考えている。現に解禁間もないうちに瀬で多数キャッチされているし、私自身も低水温時に流速の早い瀬でキャッチしたことがある。それにルアーをチェイスしてくるサクラマスも多く見かけている。これは単に自然的要因だけではなく、初期の水量が多く、押しの強い流れでも使えるルアーが多くなったことも関係しているのかもしない。
 以上のことをまとめると、トロ場に定位する低活性の個体を狙うより、早い時期でも瀬に突っ込むような高活性の個体を狙うほうが口を使ってくる可能性が高く、サクラマスを手にする確立をグーンとアップできるということ。盛期は当然、瀬が堅いはず。だからサクラマスキャッチへの近道は「瀬をいかに攻略するか!」が鍵だと思っている。「サクラマスの話はいいから、早くエレナとスリム120のどこが違うのか教えろ!」。なんて声が聞こえてきそうなので、このあたりで止めておこう(笑)
 では、本題。次はグレイスミノー・エレナの特徴をいくつか挙げ、私なりに説明したいと思う。


●グレイスミノー・エレナの特徴

【アクション】
●スイムアクションはスローからミディアムリトリーブではハッキリとしたローリングアクションで、ファーストリトリーブでは軽いウォブンロールになる感じだ。
●スリム120が「クルクルクル」としたローリングなら、エレナは「パタパタパタ」と言った感じか。
●強い水流を受ける程、ローリング→軽いウォブンロールと移行するようだ。

【ヘッドからテールにかけてシェイプされたボディー】
●流れの速い場所では、太いボディーがマイナスに作用し安定して泳がないが、ヘッドからテールにかけて細くすることにより、流れを上手く逃がし安定させる効果がある。
●流れの横切りに強く、流芯をよりスローに通せる(おいしいポイントに長く入ってじっくりアピール)。
●スリム120が丸型ならエレナは扁平型になっており、これによってハッキリとしたキレのあるフラッシングと強い波動が出せる。
●ボディーを細くすれば当然浮力は低下する。それを肉薄とすることで高い浮力が確保されている。しかし、ただ薄くしただけなら強度が低下してしまうので、内部が細分化した隔室構造にされ強度が保たれているそうだ。

【ベリーフックアイのローリングスイベル】
●サクラマスなど本流トラウトルアーでは常識的アイテムで、高いバラシ軽減効果が期待できる。
●当然、シーバスに首をふられてもフックが回転しより良い位置を捉えるので、よじりによる身切れが少なくなる。
●しかし、SWでの使用では腐食する恐れがあるので水洗いが必要。

【薄型チタン製リップ】
●細いボディーにやや幅広のものが取り付けられている。
●瀬などを攻める際、避けて通れないのがボトムを叩きリップが破損することだ。折れなくても角が欠けたり、大きな傷が入るだけでも泳ぎのバランスを崩すおそれがあるが、チタン製にすることで良い状態を長くキープできる。
●ゴロタへのズリ上げランディングで魚に暴れられても全然平気。

【固定重心】
●着水と同時にアクションできるのでピンポイントを攻めやすい。
●ウエイトの遊びによるブレが発生せず安定する。
●カチカチ音もでないので魚をスレさせにくい。
●飛距離が出ないデメリットも。ただし、瀬は近づいても魚に人間の姿を発見されにくいので、飛ばないことは問題にならないはず。シーバスゲームで考えると、飛ばないことで使える場所が限定される。

【シーバスゲームでエレナはどんなフィールドに有効か】
●河川内での流れの押しが強く、流芯が近いポイント。
 (流芯が遠くて飛距離が必要なポイントではスリム120に分があります。)
●港内などの遠投が必要ないポイント。
●プレッシャーが高まり、シーバスのスレが進んでいるポイント。
●シーバスの着き場が限定されており、一発で食わせたいポイント。
●サヨリ着きの厄介なシーバスがいるポイント。
●なにを投げても駄目なポイント(投げてみる価値あり!)

【どう使うのか?】
 シーバスを狙うなら基本的に巻くだけでOKだと思う。受ける水流強弱によるアクション変化をうまく利用してみてるといいだろう。私はロッドアクションを与えるより、狙った流れの中にしっかりとコントロールすることが重要だと考えている。スリム120で当たらない時などに使ってみるのがいいと思う。

【マッチ・ザ・ベイトについて】
マッチ・ザ・ベイトを考えるなら、太さよりも長さを近づけることが重要だと考えているので、太いボラがベイトであろうと問題ないと思う。110、130の2サイズもそんな感じで使い分けるといいだろう。

【シーバスを狙う際のフックについて】
 標準で110にはカルティバST-36BCの6番、130には8番がセットされているが、瀬で使用する場合には交換しない方が無難だ。しかし、シーバスに使用する場合は110にはST-46の5番、130にはST-46の6番に交換しておいたほうがいいと思う。この番手に交換してもほとんどアクション変化はないように感じた。サヨリ着きのシーバスの場合は、さらに大きなフックに交換して動きを制限してやるとおもしろいだろう。なんせ動きが地味なものほどよく反応するのだから…。


●グレイスミノー・エレナ実釣

 11月2日、私はエレナがシーバスに本当に通用するのか確かめるため、島根県松江市の大橋川「矢田の渡し」に出かけることにした。このポイントを選んだ理由は、干満により発生する潮流も速く、流芯も近くランカーの実績も申し分ないので、エレナのポテンシャルを100%発揮して確かめられると考えたからだ。
 この日は、大橋川の潮時基準境港の干潮が17時49分であるので、平均的な潮時差から計算して17時頃からゆっくりと動き出すと予測した。本来なら潮の動き始めに入るのが理想的だが、家庭の事情で少々で出遅れて18時30分ごろポイントに到着した。祭日前であるのに、先行アングラーは一人も見当たらない。対岸からは数人のキャスト音が聞こえていた。川の中心部分には流れによる筋がくっきりと出現していた。

 私は膝上まで川に立ちこみ手を水に浸けてみた。すると前回の釣行よりも水の温度が下がっているように感じた。まだ、エレナでは流芯に届かないので、とりあえずタイドミノーサーフ120をセットし、川の中央部分の筋を狙ってみることに。中央辺りではシーバスに追われているのだろうか、ボラがなにやら騒がしい。「もしかしてシーバスが宍道湖から本格的に下ってきたのかな?」など考えながら広く探るためキャストを繰り返した。程なくして待望のヒット! 本日1匹目はジャスト60cmであった。これは期待できるぞとテンションも上がってきた。流れもしだいに強まり少しずつ、流芯もこちらに広がりながら近づいてきている。

 19時30分ごろ、流芯が私から10m位のところにクッキリと出現した。グレイスミノーエレナを試すチャンスがやってきた。私はベストのポケットから、フックをカルティバST-46の6番に交換しておいたエレナ130を取り出し、スナップに接続した。さあ本当の実釣開始! ドキドキしながらクロス気味にキャストした。ラインが流れに極力引っ張られないようにロッドを立て気味に構えリトリーブに入る。そして、エレナ130が流芯に突入すると手元に伝わる小刻みなプルプル感が強く変化するが、引き重りは全く感じない。しかも、普通のルアーよりも長い時間流芯に入っていられる。「これならシーバスがいれば絶対に食ってくるはず」と私は思った。
 2投目は、ややダウンにズラしてキャストした。ドリフトさせ流芯に突入させると、また手元に伝わるプルプルが強く変化した。次の瞬間「ドズン!」と衝撃が来た。ロッドを大きくあおると、ズッシリと重たい。流れに乗られると面倒なことになるので、少々強引に寄せにかかり、無事に護岸際の石の上にズリ上げてキャッチ成功! 見た目でランカー確定のシーバスで、計測すると87cmのナイスな個体であった。その後、さらにエレナ130で72cmもキャッチすることができた。
 次を狙いキャストを繰り返したが全体的に流速が弱まってきたので、タイドミノーLDに換え、60cmクラスを見事キャッチしたところで終了した。追記しておくと、11月4日の釣行でもエレナ130を使い、同様のパターンで79cmのシーバスをキャッチすることができた。

 グレイスミノー・エレナは活躍できる場所や場面は少ないと思うが、エレナの持つ能力や特性を十分理解して使用すれば必ず良い結果がでると思う。本来、ロッドでアクションを加えなくても巻いていれば釣れるルアーなのである。接近戦を得意とするエレナをシーバスにも、ぜひ使ってもらいたい。


●釣行データ

●釣行日:11月2日  天候:晴れ  潮汐:中潮

●ポイント:島根県松江市・大橋川 

●タックル ロッド:パームス/SGP−86L
        リール:ダイワ2500番
        ライン:バークレイ/ファイヤーライン1.2号
        ルアー:デュオ/グレイスミノー・エレナ110・130、タイドミノーサーフ120、タイドミノーLD


●Grace Minnow Elena / デュオ

■瀬を攻めるために生まれた、グレイスミノー・エレナ
  〜盛期の高活性トラウトを狙い撃つハイレスポンスミノー〜

細部にわたり駄肉を排除した薄肉設計と、リブによってボディ内を細分化した隔室構造により、スリムミノーにおいて絶対的なファクターとなる浮力の確保とボディ強度を高次元で実現。 ウェイトは環境への配慮からスズ(Sモデルはビスマス)を使用し、ボディの低重心下とアクションレスポンスを重視しボディ内に固定。 軽量・高強度の0.6mm厚チタン製リップとの組み合わせにより、立ち上がりが早く複雑かつ激しい流れでも水面を割ることのない優れたアクションレスポンスを備えます。


 

グレイスミノー・エレナはトラウト専用? いえいえ、シーバスだって使えます!

 
 

タイドミノースリム120(上)と比較

 
 

横幅はよりスリムに

 
 

サヨリ、イワシなどのベイトにもマッチ

 
 

その実力はシーバスでも実証された

 
 

ローリングスイベル搭載でバラシを減少

 
 

幅広のチタンリップを搭載。これでバランスが常に保たれる

 
 

リタイドミノーとリップを比較してみた

 
 

実釣スタート。その泳ぎは?

 
 

流芯をドリフトで流す。するとドン!

 
 

パワフルファイトでもローリングスイベルだから安心してランディング

 
 

エレナで130で72cmをキャッチ。右の写真はこの日最高の87cmのランカーフィッシュ!

 
 

トラウトだけじゃもったいない! SWゲームでも、ぜひ使いたいルアーだ

 

■浜田 恭/プロフィール
GENCO契約デュオモニター
シーバスはもとよりSWゲーム全般、そしてサクラマスをはじめとするトラウトゲームでも実績を残す、山陰のエキスパートアングラー

file:///C:/Documents and Settings/Yoshiaki Ihara/デスクトップ/ANGLER'S WEB SITE/html/FISH!.gif
Copyright (C) 2006 OFFICE GENCO. All Rights Reserved.