●クロダイ求めて広島へ

 1月初旬、新年の挨拶をかねて嶋田氏にTELしてみた。すると「チヌを釣りにおいでよ! Sリグでボコボコ釣れるから!」と新年から強烈な匂いを発する言葉で誘っていただいた。しかし、真冬にチヌがボコボコ釣れるのだろうか? ホントにそんなことって…? と正直思ったが、以前からSリグが凄く気になっており、実物を見てみたい、実際に使ってみたいと思っていたので、「ハイ、行きます。では明日、ヨロシクお願いします!」と即座にお誘いにバイトし釣られてしまった(笑)。
 SリグはエニグマやCD7を用いたMリグとは異なり、P.P-weightという特殊な形状のシンカーを使用したテキサスリグである。浮力の強いプラグやワームを使用すると水中でルアーが立ちシンカーとのPP効果により強くアピールでき、Mリグで攻略不可能な深いポイントや、擦れたチヌが多いポイントに効果が高いリグである。しかし、オープンシャローで活性の高い個体を広く探るのにはMリグに分があるようだ。現段階ではフックやルアーなど、いろいろと試している段階だそうで、使い方など詳しくは嶋田氏のブログDRAGON LOOPにて確認していただきたい。


●Sリグ初チャレンジ!

 1月3日。私は15:30に家を出て国道54号で広島を目指し、19:00に広島市内に到着し嶋田氏と合流した。挨拶もソコソコに嶋田氏の車にタックルを積み替え、ポイントにGO! と思いきや近くのパスタ屋さんにIN。「釣りしないんですか?」と聞くと、「飯ぐらいゆっくり食おうぜ〜」とかえってきた。そういえば休憩なしで山陰から走り続けてきたので、当然、腹も減っていた。「ゴチになります!」ってことでパスタを奢っていただくことになった。
 しかし、食べ終わっても嶋田氏は一向に席を立とうとしない、むしろマッタリとしている状態だ。私は辛抱たまらんようになって「早く釣に行きましょうよ!」と催促した。すると「今は、まだ時合じゃないから行ってもダメだよ。効率よく釣りをしなきゃ!」と余裕の返事が返ってきた。なんでも水位が下がるとチヌが固まるポイントがあるらしく、散らばった時に狙ったのでは連発しない、効率よく数を釣るにはジッと時合を待つのがコツなのだと教えてくれた。この一連の行動は全て蓄積されたデータにより計算されたものだったのだ。

 店を出て本命ポイントに入る前に、違うポイントでSリグのセット方法と使い方を丁寧に指導してもらいキャストしてみる。なるほどバレットシンカーを用いたテキサスと違い、ルアーとシンカーが生きているように動いている感覚が手元に伝わってきた。すぐさま隣でキャストしている嶋田氏にキビレがヒット! さらにヒット! またさらにヒット! 同じリグを使っているのに私にはカスリもしない。嶋田氏の動きを真似しながらやってみるも微妙に違うらしく、吸い寄せられるように嶋田氏ばかりにヒットして私には全くヒットしなかった。「心配するな。本命ポイントに入れば100%釣れるから!」と慰められながらポイント移動となった。

 車で太田川放水路河口付近右岸まで移動しウエーダーを着てゲーム開始。「とにかく一匹釣ってから!」ってことで隣のポイントに入った。教えを忠実に守り、全神経をティップに集中させて当たりをまった。すると「コン、クククッ!」と小さなアタリがあった。ビシッとアワセるとロッドに重みが乗り、チヌ特有の「ググググッ!」とした引きが伝わってきた。ギクシャクしたファイトで岸にズリ上げてキャッチ成功! あれっ? なんでこんなに小さいの? 引きのわりには小さな魚体に私は驚いた。すると嶋田氏が「キビレはチヌより引きが強いからな〜」と教えてくれた。チヌは山陰で釣ってはいたが、キビレはこの魚が人生初キャッチだったので、銀色の強い魚体にしばし見惚れてしまった。



 その後、いよいよ本命の水深が深いポイントに入りキャスト開始。本命ポイントというだけあって、ルアーが着底するまでにチヌがバイトしてくる。しかし、不慣れな私はそいつらをフッキングに持ち込めない。横で嶋田氏がキャストせずに私の悪い点を補正するよう的確なアドバイスをしてくれた。「そうそう、その感じ!」と言われた次に瞬間、「ガツッ!」と強烈で明確なバイトがあった。即座にアワセるとしっかりと重みがのり、強い抵抗がはじまった。流れに乗って抵抗されたが、無事にキャッチできた魚体は45cmアップのキビレであった。
 その後も異常にチヌが固まっているらしくバイトの連続が続き、数匹のキビレを追加することができた。しかし、コツを掴んだ頃には終了時間となり少々不完全燃焼で多くの課題がのこった。


●広島サイコー!!

 1月13〜14日。せっかくコツを掴んだSリグ釣法の感覚を忘れないうちに広島に向かった。今回は、バス専門誌で特異なキャラで活躍中のセンドウ兄弟の弟ニンジャと一緒だ。前日、某ルアー雑誌の取材を一緒にしているとき、「広島に行って嶋田さんとチヌをガツガツ釣ろうや!」と私が誘うと、「嶋田、ガツガツという言葉がピクッ!」とニンジャの側線を刺激したらしく、二つ返事での参加となったのだ。広島に到着して嶋田氏と合流、まずはニンジャが自己紹介。嶋田氏もセンドウ兄弟は私の古くからの友人であると知っていたし、その強烈なキャラにかなり興味をもっていたようだ。しかし、広島に着いてからのニンジャは嶋田氏を前にした緊張からか、普段のキャラを隠し普通のお兄ちゃんになっていた(笑)。

 引き潮のタイミングで放水路に入り実釣スタート。今回は状況に応じてMリグ、Sリグを使い分けて数を伸ばすことがテーマである。まだ水位が高く流速も速いので、私はSリグを選択した。シンカーは8g、ルアーはdepsのデスアダーホッグ3インチを2インチサイズにカットしフックにセットした。30m程先にある流れの筋めがけてクロスにキャストしボトムをとる。強い流れにを受け、Sリグ特有のPPアクションがはじまり、ロッドティップがグーングーンと動きはじめた。すると「コン!」とアタリが来たが、小型のようでフックアップには至らなかった。今度は位置をずらしてキャスト。着底後すぐにバイトがあり見事にフックアップ! 強い引きを楽しみながら取り込んだのは40cm弱のキビレであった。そのころニンジャにも数回のバイトがあったようだが、バサーであるニンジャはバイトに対して送り込んでからアワセる癖が染み込んでおり、どうしてもフッキングが遅れ気味となり苦労している様子であった。

 三人で下流にポイントをずらしながら探っていく。すると先行していたニンジャから雄叫びがあがった。「きたっー、おっしゃー! ○△□×!!」。私が急いで駆けつけるとニンジャの侍忍者○○富士山8.6ft(ニンジャが製作中のロッドで、名前は知識の薄い外国人から見た日本のイメージだとか…)が見事なカーブを描いている。華麗なやり取りで抵抗をかわし見事に広島発キャッチ! 40cmアップのキビレであった。「やったぞ〜!」と叫びながら写真撮影し釣り再開。その後も下りながらキャストを繰り返すと飽きない程度にバイトがあり、三人で十数匹のキビレをキャッチ&リリースをすることができた。

 「よし、スタート地点に戻ろう!」との嶋田氏が私たちに言った。私が「今、釣れてるのに移動ですか?」と問うと、「上に行ってMリグやった方が効率がいいから」とのことであった。一旦、水から上がりスタート地点まで戻ると水位は下がり、流れがゆったりと変化していた。私はMリグ、ニンジャと嶋田氏はSリグと担当をわけて差を比較してみることになった。私はエニグマをセットし、ボトムノックを感じながら広範囲に探っていく。2、3投目だったろうか、私に「ガツッ!」と硬いバイトがあった。しかし、前アタリで反応してはいけないことは十分理解していつもりだが、ビックリして反射的にロッドをシャクッてしまった。すると嶋田氏が「今の奴はクロダイだよ。キビレならほとんど一発で針に掛かるから。もう一回、同じラインを通せば多分くるやろ!」と教えてくれた。言われた通りに同じラインを通すと、な、なんと一発でヒット! しかも今度の奴は先程までの魚と違いトルクがある感じだ。ランディングしてみると嶋田氏の予告通り40cmアップのクロダイであった。

 その後もMリグには反応がいいが、Sリグには反応が悪い状況が続いき、ポイント、状況により二つのリグを使い分けることでキャッチ数がのばせることを勉強できた。
 そろそろ止めようかと話していると、対岸でキャストしていた当サイトでお馴染みの林さんと安田さんがこちらまで来てくれて、暖かい缶コーヒーの差し入れをしてくださり、しばし談笑。そして「半田屋にメシ食いに行こうや!」ってことでこの日は終了となった。私の当初の予定では一日だけで鳥取に帰る予定にしていたのだが、なんとニンジャが広島に残り明日もやると言い出した。それを聞いたら私も引っ込みがきかなくなり残ることとなった。そして、ニンジャと近くのスーパー銭湯で疲れを癒し、車の中で眠りについた。

 翌日、夕方に嶋田氏と再び合流し、前日に林、安田両氏が好調であった右岸側に入ることになった。私はMリグ、嶋田氏はSリグ、ニンジャはオレ流(?)でスタートした。キャストを開始すると嶋田氏のSリグにヒットが集中した。ニンジャは当たるが乗せきれず苦しんでいる。私のMリグには当たりすらない。嶋田氏が3匹程キャッチしたころでニンジャにヒット! 大騒ぎしながらファイトを楽しみ良型のキビレをキャッチした。撮影のために魚にライトを当てると、魚の口には何とラバージグがついている。オレ流とはバサーである自分の釣り方で広島チヌを仕留めることだったのだ。撮影を済ましリリースすると今夜もニンジャ奇声が放水路に響いた「広島サイコー!!」。
 その後、私はSリグに変更し3匹のキビレをキャッチすることができた。昨日に比べるとかなり渋い状況ではあったが、十分に楽しみ学ぶことができた。


●修行最終日

 1月20日。この日も国道54号を走り広島を目指した。土曜日であったこともあり渋滞に巻き込まれ、到着予定時間から大幅に遅れてしまった。嶋田氏と合流し出遅れ気味で急いで放水路左岸に向かう。現地に到着すると先行者はおらず、予定していたポイントに入れそうだ。
 タックルを整えウエーディングしキャストを開始した。この日は、嶋田氏からの指導をもらわず、今まで学んだ知識をフルに活用しチヌをキャッチすることがテーマである。しかし、この日は開始から2時間近くたっても全くチヌからのコンタクトがない。潮もよく、水色、水温なにも問題がないはずなのになぜかアタらない。そんな状況から集中力が切れかかっていた私に「チャンスは必ずあるから集中して雑にならんように!」と嶋田氏から喝が入り、再度気持ちを入れ替え集中した。
 するとSリグをキャストしていた私の手元に「コツ!」と凄く小さなアタリがきた。反射的にアワセるとロッドに重みが乗った。無事に取り込み小型のキビレをキャッチすることができた。その後もポイント移動を繰り返しながらキャストを繰り返し、激シブ状況の中でも4匹のキャッチに成功した。そして、嶋田氏から「チヌ準免許皆伝!」の言葉をいただき終了となった。

 今回の計3回、4日間の釣行でチヌを釣る技術だけではなく、アングラーとして大切なことなど多くのことを楽しく学ぶことができた。なにもわからないチヌ素人の私が行って簡単に釣らしてもらえる。このことに「広島にはチヌが多いから…」なんて言葉をよく耳にする。確かに魚影は濃いかもしれない。しかし、嶋田氏を初めとするLOOP山陽メンバーの日々の努力の蓄積があるからこそ、今のチヌゲームがある。私も結果を出すために近道をしない山陽メンバーを見習い頑張ろうと強く思った。この知識、技術を山陰に持ち帰りチヌに限らず、様々なターゲット応用し発展させていくのが今後の私の課題だ。




●釣行データ

●釣行日:1月3日、13日、14日、20日  

●ポイント:広島県広島市西区・太田川放水路

●タックル ロッド:ufmウエダ/SGP−86L
        リール:ダイワ/エアリティー2000
        ライン:バークレイ/ファイヤーライン1号・リーダー/フロロ3号
        フック:カルティバ/スピナーベイトショートシャンクフック2番
        シンカー:PPシンカー8g、11g(プロト)
        Sリグ:デプス/デスアダーホッグ3インチ
            バークレイ/ガルプクロー3インチ(2インチサイズにカットして使用)
        Mリグ:ティムコ/エニグマ

 

Mリグ、AR-リグに次ぐ、第3の秘密兵器Sリグ

 
 

タックル準備。レクチャーはご本人!

 
 

これがSリグだ!

 
 

これがP.P-weightシンカー(プロトタイプ)

 
 

水中で立ってアピールするのが最大の特長

 
 

バスの世界では有名なニンジャ氏来広

 
 

ニンジャ氏に待望の初キビレ!

 
 

見事40cmアップのキビレをキャッチ!

 
 

デスアダーホッグでの釣果

 
 

修行のおかげで、次々とクロダイ&キビレのランディングに成功

 
 

指導中の嶋田さん

 
 

手早いバイト&ヒット、そしてリリース

 
 

これで免許皆伝!

 
 

Sリグの集魚力は凄まじいものであった

 

■浜田 恭/プロフィール
GENCO契約デュオモニター
シーバスはもとよりSWゲーム全般、そしてサクラマスをはじめとするトラウトゲームでも実績を残す、山陰のエキスパートアングラー



■嶋田的Sリグ思考2007


 Sリグ開発者、嶋田仁正が考えるSリグのカタチ

 
Weblog : DRAGON LOOP 〜 JINSEI SHIMADA HOW TO より



 巷で話題の「Sリグ」。その全てを書くにはあまりにも情報量が少ないのでざっくりと書いてみると、まずこのSリグを行うために最も重要なのは「P.P−WEIGHT」の存在。このシンカーはまだ一般には販売されていませんが、現在様々なステージにてテストが実施されています。ワタシはこのシンカーを「チヌ」というターゲットに的を絞り、多くのテストを実施していますが、その効果はワタシの過去ログにて確認して下さい。

 まずこのシンカーを見てひらめいたいたのは「プラグを使った」攻め。メバル用のペンシルを用いたものでしたが、そのバイト数は圧倒的でした。しかし当ブログの書き込みで9cmクラスのルアーを使って効果があったとの報告がありましたので、5〜7cmクラスのルアーを使用し、実釣してみました。結果は◎。今春発売のカルティバの「SD33TG」との相性も良く、かなり期待が持てます。ペンシルをチョイスしたのは止めての誘いにリップの必要性を全く感じないのと、ボトムをトレースするならMリグという圧倒的に強いリグの存在が、そういう選択となったのはいうまでもありません。

 このシンカーを使い、浮力の強いペンシルを使う理由は一つ。このシンカーの最大の特徴を最も効果よく発揮できるからに他ならない。このシンカーの特徴は、湖流や潮流によりシンカーが底を這うように動くペンデュラム効果、そしてそういう流れがない中でも上記のルアーを使った時にシンカー自体がフラフラと躍動するピボット効果。つまり、オートマチックアクションシステム的な役割をシンカーが担うという点。またおもしろいのはフォールでのバイトもかなり多く、球形のシンカーがゆったりとしたフォールを実現しているこの証明となっています。考えれば考えるほど、バスフィッシングに使ってみたくなるシンカーです(笑)。その釣りのバリエーションをイメージした時、その可能性が∞なバスフィッシング。ワタシは現在でこそソルトアングラーですが、元はバサー。このシンカーが発売になった暁には、ぜひともバサーの皆さんに試して頂きたいと思います。

 さて、先程「プラグ」について触れましたが、今は次のステージである「ワーム」でのテストを繰り返しています。その効果は凄まじいの一言。Mリグは「シャローに差した活性の高い個体」を狙う釣りなのに対し、Sリグは「追い気のない活性の低い個体」を拾える釣り。つまり足を止めたまま目前のチヌ全てに対し、アプローチが可能なリグが完成したわけです。もちコレはプラグを使ってもかなり効果的です。ですが、今はまだワームの可能性を広げる事を目指したいと思います。

「ワームの選択基準」

Sリグでチヌを狙う際に選ぶワームの基準が幾つかあります。

●サイズ:標準サイズは2インチ。コレは口の大きな吸い込み系の魚と違い、チヌはどちらかと言えば噛みつき系(もしくはモグモグ系?)に近い捕食の仕方をしているようです。そう考えるとワームのサイズを上げたり、ボディー以上に動き過ぎる余計なモノは少ないのに越したことはありません。いろいろと検証を繰り返した結果、やはり2インチクラスが標準的なサイズと判断しました。現在自身で効果がある、もしくは有効だと判断できたワームは、バークレーの2インチバルキー、カットするのを条件にガルプ3インチクロー、デスアダーホッグ3インチ」の3種。

●カラー:プラグの釣りでもカラーの違いで釣果が変わる。またその時々で当たりカラーが存在することが実証されています。ワームも同様に適したカラー(現時点で)が存在するようです。元々プラグと比べ、様々なカラーが存在するワーム。ですがそのベース自体はそう種類があるわけでありません。エニグマのカラーをセレクトしていく段階で出た結論が「単純な配色」ほどいいという点。これはボトムの釣りが主体なワームの使用状況を考えた時、これほど多くのカラーが存在するにも関わらず、結果として「単純なカラー」が好まれているという点と符合します。緑、黒、茶、紫、赤・・この辺じゃないですか? 現在チヌをワームで狙う際に「ラメ」というキーワードを元に調査しています。これは調査をしている中で感じた「1項目」を試しているに過ぎませんが、ラメのあるなしは釣果に影響を及ぼす項目の一つになりそうな気配です。ワタシ的に今日の時点でハッキリしているのはバークレーの2インチバルキーホッグにもラインナップされている「CG(シナモングリーンフレック)」は、最も釣果を出しているカラーということだけです。

 あとはまだまだ思案中です。ちなみにワームが常にボトムにあるようだとバイトはあっても乗らない、乗りづらいなど、このシンカーの真骨頂はこの点をシンカー側で解決したから。2インチバルキーが効果的なのはフローティングではないのに、比較的浮きやすいから? あるいはガルプが良いのは臭い? デスアダーが良いのは? など、おそらく「浮力」「臭い」の他にきっとなにか他に理由があるからに違いない。それが何か?おぼろげながらも見えつつありますが・・・



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