●クロソイゲーム!

 近年ロックフィッシュが注目され多くのメディア等でとりあげられ、寒い時期でもフィールドに出掛けるアングラーが多くなった。そのアングラーが狙うターゲット人気No1はメバルであろう。今回は人気者メバルの影に隠れ、いつも脇役的な存在のクロソイにスポットをあて話を進めたいと思う。
 まず、クロソイとは一体どんな奴なのか簡単に紹介しよう。クロソイは日本各地の比較的水深の浅い内海的なエリアに多く生息しており、好奇心旺盛で強気な性格、夜行性で甲殻類や魚類を好んで捕食する。名前からもわかるように体に暗色帯があり、個体によって体の波紋に変異が多いのも特徴である。よく似た仲間でムラソイがいるが、クロソイには目の後方に3本の暗色帯があることから見分けることができる。
 クロソイは卵胎生であり地域によって差はあるものの、4〜5月ごろに6mm位の仔魚を産み出す。したがって産卵する魚のように仔が拡散することがなく、エリアごとに独自の群れを維持していると考えられている。私の住む山陰汽水域、中海、境水道にも数多く生息しており、ジャガタメバルの愛称で親しまれ釣り人からの人気も高い。このエリアの多くの魚類が冬季に水温が低下すると外海に下って行くが、クロソイは汽水域に留まり岸寄りの浅場に上がってきて活発にベイトを追う。このことから狙い場所を変えることで周年狙うことも可能だが、秋から冬が個体コンディションもよくベストシーズン。
 クロソイは大型化するのも特徴で、カサゴやメバルが大きくなっても30cm位なのに対し、50cm近くまでも成長する。親魚はパワーがあり引きも強いので、狙うとなるとそれなりのタックルが必要となる。40cmUPが釣り人の一つの目標ラインであろう。




●タックル

 ではどんなタックルがいいのか。最近、根魚専用ロッドが各メーカーから市販されている。しかし、メバルロッドでは全く勝負にならないので、ソイ、アイナメ用と名のつくファーストテーパーでハードなものがおすすめだ。強めのバスロッドでも十分対応可能である。ロッドの長さについては6〜8ft位がちょうどいい。ただし、根の厳しい場所で短いロッドは不利になるし、漁港湾内では長すぎると非常に使いづらい。ベイト、スピニングどちらでも良いと思うが、ボトムを中心にゲームを展開するので、ベイトタックルの方がフォール中のバイトも取りやすくパワーが強いので有利である。
 ラインについては、ベイトリールならフロロの12〜16lbが瀬ズレなどにも強く安心で飛距離も出せる。スピニングならPE1号〜1.2号位が感度もよく、飛距離も出てポイントが遠い場合に重宝する。ただし、リーダーをセットしないとヤスリのような歯でブレイクしてしまう。
 次にルアーだが先にも言ったようにクロソイは好奇心旺盛な魚なので、非常にルアーに対しての反応がいい。そのためいろいろなリグに反応してくれるので、はっきり言ってなんでもよい。しかし、根の状況、水深、流速、クロソイが意識しているベイト等を考慮して使い分けることによって数を伸ばすことができるだろう。私の場合テキサスリグを中心にバイブレーション、バス用クランク、Mリグなどを使用する。これらのリグを簡単に説明するので参考にしてもらいたい。

【テキサスリグ】
◆根の厳しい場所や、藻が茂った場所でもすり抜けがよく効率よくボトムが探れる。
◆シンカーを変更することで全レンジをカバーできる。
◆甲殻類(カニ、エビ)などを模したホッグ系のソフトルアーと相性がよく、リフトフォール、スイミング、ボトムステイ、ズル引きなど様々なアクションが演出できる。
◆ソフトルアーはバークレイ・パワーホッグ4inchやデプス・デスアダーホッグ4inch、デスアダーグラブ6inchがアピールも強く気に入っている。ルアーサイズをダウンすることで小さな個体も拾えるが、個人的にあまり好きではない。
◆カラーについてだが、暗色はシルエットがハッキリするのでアピールが強い、クリアー系は活性の低い奴に、グローやホワイト系は濁り潮時に効果的。
◆リフトフォールは活性の高い個体を探るのに有効で、フォール時にバイトすることがほとんどなのでラインを張りカーブフォールさせる。
◆魚の活性に合わせ、リフトのシャクリの大きさとスピードに変化をつけたり、ボトムステイ、ズル引きを混ぜるとおもしろい。
◆ハゼを意識したスイミング(時々着底させてボトムに寝かす)が結構効く。
◆シンカーはレインズ・タングステンスリップシンカー7〜21gを使用。(タングステンのシンカーを使用することで感度がUP)
◆フックはオフセットフック3/0〜5/0を使用。(口がデカイので、これぐらいがベスト)

【バイブレーション】
◆クロソイはカサゴのようなストラクチャーに対する強い依存性は無いので、表層を引いてもヒットすることがある。
◆ラトルによりサウンドを出すタイプが効果的で、広範囲に様々なレンジが探れる。
◆活性の高い個体に有効である。
◆リトリーブはスローが基本。

【クランク、Mリグ】
◆クランクで中層を引いても良いが、やはりボトムノックが効果的で根掛り回避能力も高い。私はバス用の安物を使用。
◆Mリグはクロソイの好物である甲殻類の動きを演出できるので、チヌのみならずクロソイにも効果的である。ラトル音が出るティムコ・エニグマが効く。

※これら以外のリグでも良いので自分のパターンを見つけて楽しんでほしい。


●ポイント

 では、どのようなポイントを狙うのかを、山陰汽水域の中海、境水道を例に挙げて説明したい。

◆簡単に言えば、クロソイが好んで捕食する甲殻類(カニ、エビ)やハゼなどのベイトが多くいる砂泥底質の場所(ハゼ釣りの人気ポイント近くの漁港など)。
◆下が抜けていて潮の通る漁港の桟橋際(テクトロが効率的)
◆河川の流れ込み付近。
◆漁港湾内の岸壁際、係留船の間や杭周り。(浅い場所にも大型がいるので要注意)。
◆テトラ帯や石組みの護岸付近。
◆境水道などの潮流が速い場所に面していて、窪んだ地形で潮流がたわむ場所。(小規模漁港湾内など)
◆潮流が速い場所なら沈み根がある場所。
◆深場の瀬周りや、近くに深い場所のあるシャローやカケ上がり付近。(大型可能性大)
◆底にゴロタ石が多い場所。
※挙げれば切がないほどポイントはあるが、基本となるのはクロソイが昼間は身を潜める場所があること。テトラ、石組み、溶岩帯、桟橋下、ディープなどがそれにあたる。


●実釣レポート

 1月25日、私は職場の先輩を誘い境水道でクロソイを狙いにでかけた。過去に実績のある漁港周辺は、近年の根魚ブームの影響でかなりプレッシャーが入っており、なかなか数、型ともに厳しい状況になっている。これを外すために、攻めにくくプレッシャーの少ない深いポイントを選択した。深いといってもキャストして届く範囲の水深は10m弱である。この水深でも境水道では深い方になり、潮流の押しが強いのでボトムの狙ったポイントに送り込むのは難しい。

 20時30分頃ポイントに入るとかなり下げ潮がきいていた。私は21gのバレットシンカーと3/0フックでテキサスリグを組み、フックから15cmにシンカー止めを付けバークレイ・パワーホッグをセットした。まずはキャストする前に足元に落とし込み、テクトロで探ってみた。根魚狙いでのテクトロは、ボトムをとったあと、5〜6歩移動して立ち止まり、振り子の効果で誘うのが効果的だ。十数m移動したあたりで「トン!」とバイトがあったので、一瞬溜めてから大きく合わせた。すると、ロッドに重みが乗りグググッ! と強く絞り込まれた。すかさず岸壁際からティップを離しゴリ巻き開始! すかさず抜き上げたのは35cmUPと、なかなかのクロソイであった。

 その後もしばらく岸際を狙い、小型のバイトは数回あったがヒットしなかったので、本命場所の深場からのカケ上がり付近を狙うことにした。この場所はゴツゴツとした瀬がボトムにあり、その周辺でヒットが集中する場所である。先輩の山本氏にポイント位置を正確に伝え2人でキャスト開始! 私は潮の流れを計算し、潮上にキャストし垂直に近い形でポイントに送り込んだ。着底を確認後ロッドを大きくシャクリ、糸フケを巻き取りテンションフォールさせる。2シャクリ目のフォールでスグにバイトがあり、送り込んでから大きくアワせ、フックアップ成功! 強いファイトを楽しみながら抜き上げたのは、40cmには届かないがグッドサイズであった。数投後にも同様のパターンで30cm弱をキャッチした。

 一方、山本氏は軽めのジグヘッドで臨んでいたようだが、流されて着底が感じ取れず根掛りが頻発し苦しんでいた。私は山本氏にシンカーとフックをプレゼントしセットしてあげた。この日は、やたらと活性が高いらしく着水後のフォール中にもバイトがある状態だ。少しずつポイントをズラしてボトムに送り込みリフトフォールで誘う。山本氏が慣れないテキサスリグに「アタリがわからない。なにかトンって来るんだけど!」と言った。「それがバイトですよ。次にトン!って来たら強くアワセてください!」と私は言った(ジグヘッドの場合は即座に針先が当たるので「ブルルッ!」とくるが、オフセットフックの場合は「トン!」とか「コン!」という当たりが多い)。するとほどなくして山本氏のロッドが曲がった。小型であったがバイトを拾い、シッカリとフッキングさせた価値ある1匹であった。
 その後も潮が緩んだらシンカーを14gに落とし、小型を含めて多くの良型クロソイと遊ぶことができた。2月5日にも境水道に出かけ40cmUPを含む良型を6匹キャッチすることに成功した。
 みなさんも冬の夜のフィールドに出かけてクロソイのパワーゲームを堪能してみてはいかがだろう。




●釣行データ

●釣行日:1月25日  天候:晴れ  潮汐:小潮

●ポイント:鳥取県境港市・境水道

●タックル  ロッド:ダイワ/HRF・702HMHB
         リール:シマノ/CONQUEST・101DC
         ライン:バリバス/フロロ16lb
         フック:オフセットフック3/0、4/0
         シンカー:レインズ/タングステン・スリップシンカー14g、21g
        ルアー:バークレイ/パワーホッグ4inch
          デプス/デスアダーホッグ4inch、デスアダーグラブ6inchなど




 

【クロソイ】北海道以南の沿岸(岩礁帯・浅海)に生息するカサゴ目フカカサゴ科の魚。シーズンは冬 で体長は40cm程度。大きいもので60cmになる個体も。体色は個体変化に富み、灰黒色または灰褐色。眼から斜め後方へ2本の黒色帯が走るのが特徴。魚類、甲殻類、ゴカイ類等を捕食する。市場価値が高く、刺身、煮付け、塩焼き、空揚げ等で食される。

 
 

ロックフィッシュゲームというとメバルやカサゴがメインターゲットだが、40cmクラスのクロソイもそのパワーファイトで負けてはいない!

 
 

メーカーによっては専用ロッドがリリースされている。【ソイ・アイナメ・カサゴ・メバル専用ロッド、ベイライナーボロン・BRF/スミス】
ボトムロックフィッシュ(ソイ、アイナメ、カサゴ、メバル)用に設計されたベイライナーボロン・BRF。ショートからミディアムディスタンスのボトムロックフィッシュをターゲットに、ジグヘッド、ダウンショット、テキサスリグ、小型のメタルジグやスモールプラグに対応するスピニングモデル、持ち運びに便利な2ピース仕様

 
 

いろんな釣り方があるが、定番はワームを使ったテキサスリグやジグヘッドリグ

 
 

テキサスはオフセットのリグり方で根掛かりを解消してくれる

 
 

バイブレーションプラグも意外な狙い目。写真はジップベイツのザブラバイブ

 
 

ボトムノックでボトムから誘い出すクランク

 
 

話題のMリグ゙でもこの通り!

 
 

根魚だけにゲームの舞台は岩礁が広がるゴロタエリア。もちろん波止下でも釣れる

 
 

トンッというアタリがきたと同時に強烈なバイトが! すぐさま根から離す

 
 

ボリュームのあるパワーホッグにバイト!

 
 

メバルやカサゴに負けない楽しさ!

 
 

係留船の間を探るイメージで

 
 

小型だが価値ある1匹をGET

 

■浜田 恭/プロフィール
GENCO契約デュオモニター
シーバスはもとよりSWゲーム全般、そしてサクラマスをはじめとするトラウトゲームでも実績を残す、山陰のエキスパートアングラー

file:///C:/Documents and Settings/Yoshiaki Ihara/デスクトップ/ANGLER'S WEB SITE/html/FISH!.gif
Copyright (C) 2007 OFFICE GENCO. All Rights Reserved.