●プラクティスでタクティクスを構築する

 2007年4月28〜29日、「JBマーキュリートーナメント第一戦」のため河口湖へ釣行した。当日は非常に暖かく、河口湖はとうとう春本番を迎えたように思えた。空気も澄み、富士山も全身をはっきりと露出し、湖面には逆さ富士が写るような穏やかなスタート。
 28日はゴールデンウィークへ突入した初日という事もあり、渋滞を避けるべく夜中3時に河口湖へ到着し、車中で仮眠。富士五湖規定の朝7時に前日プラクティスを開始した。朝の気温は12℃、水温は11.2℃で中潮といった状況。プリスポーン〜ミッドスポーンと状況が著しく変化するこの時期は、戦略を立てる上でタイドグラフが非常に重要なファクターとなるのでインターネットなどで必ずチェックすることが必要となる。29日中潮、30日大潮といった潮周りでミッドスポーン移行のタイミングへ入ることを期待できた。

 まずエリアチョイスなのだが、当然のことながら前回のJBイースタン河口湖Aシリーズ第一戦の状況を踏まえ考えていった。前回の4月15日の段階で、第一陣バスのスポーニングエリアとなりうる要素が多い溶岩帯を釣っていたし、結果もついてきた。そうなれば必然的にコンタクトポイントからの1〜2ステージ先を狙っていくのがセオリーだろう。エリアは違えど他エリアよりも水温上昇が見込める「溶岩帯エリア」でディープからの上がり口となる岬上に張り出した場所を近くに持ち、シャローフラットを控えたブレイクのストレッチを撫でるようにチェックすることとした。
 要するに、プリスポーン終盤〜ミッドスポーンへと移行途中の個体をターゲットとしてエリアチョイスするのが良いと考えた。また、トーナメントプレッシャー、ゴールデンウィークを利用して訪れるアングラーの影響をもろに受けやすいメジャーレイク&クリアレイクということもあり、よりフレッシュな個体へルアーをプレゼンテーションさせる事で試合展開をイージーにもっていきたかったのが正直なところ。

 前回のメインベイトであった「シラウオ」も少なくなり、プリスポーニングも終盤を迎えた現段階では捕食も一段落してしまっており、ビックママの荒食いも期待はできない。そうなればシャローへ上がったタイミングのフレッシュなバスへ大きく距離をとり、ルアーをプレゼンテーションさせて一発で仕留めるのが効率的だと思う。この「一発で仕留める」というのが重要で、バスにとって最大のイベントであるスポーニングを無事に終えるべく、非常に警戒心が強い状態なのだ。キャストミスはもちろんの事、着水音にも気を配る必要がある。
 また、電子機器であるエレキや魚群探知機はOFFにしてスポーニングバス探しを行った。また、プラクティス自体もロッドは握らず、各色の偏光サングラスを使用してプリスポーン終盤〜ミッドスポーンバス探しを行い、スポーニングエリアへ留まるバスを探し出した方がリスクも少ないであろうと考えたのだった。河口湖で言えば、西川の溶岩帯、鵜の島周辺、さかなやワンド、小海公園周辺といったところをラン&ガンでサイトチェックした。この前日プラクティスでは5本のプリスポーン終盤〜ミッドスポーンバスを確認できた。


●トーナメントスタート!

 29日「JBマーキュリートーナメント第一戦」当日。朝は気温2℃と船のデッキが凍るほど冷え込んで水温も10℃台前半まで落ちてしまった。この水温低下はプリスポーン終盤〜ミッドスポーンバスを狙う自分のパターンが崩れてしまうのではないかという不安に陥ったが、スタートの8時頃には太陽の光が降り注ぎ、清清しい気持ちとなり、メンタルのリカバリーもできていた。
 フライト(スタートの順番)はゼッケンの順番の通りで4番フライトとなり、前日見つけていた西川の溶岩帯のビックママを取りに行くこととした。このバスは前日プラクティスで見つけていた魚の中でも一番の大型バスで、自分の持ち駒の中でもキッカーフィッシュだった。
 水深は1.5mほどで、岩の周辺をグルグルと回りミッドスポーニング直前の状態。そのバスに対して10mほどの距離を取りスミスのパニッシュ70SPでアプローチするとバスが威嚇を行いだした。チャンス! トゥイッチングで煽ると猛スピードでチェイスしバイトに持ち込んだ。飛距離を出すためにサンラインのスーパーFCスナイパー3lbを使用していたので心臓バクバクの状態。ドラグがガンガン出される。「これを取ればイケる!」と慎重にやり取りを行い、無事ランディングに成功! 無事1700g〜1800gのビックママをキャッチできた。
 このキャッチは強いライン、信用できるルアーあってのものだと思う。スミス パニッシュはスイムバランス、飛距離、スタビリティー全てにおいて信用しているし、サンライン/スーパーFCスナイパー3lbは根ズレにも強く、魚との強引なやり取りにも踏ん張ってくれるので非常に信用している。どのアングラーにもおすすめできるタックルだ。


●サイトフィッシング主体で2位入賞!

 その後、昨日確認していた魚を捕りにさかなやワンドへ移動。かなりマイナーな場所にステイしているバスだったため、まだ同じ場所でステイしている。水深は2mほどの溶岩の上だ。おかっぱりアングラーの方に一声掛けて(快く了解してくれました。感謝の気持ちでいっぱいです)ダウンショットリグをキャスト。フレッシュなバスなのでスススッ〜っと寄ってきて一発で喰ってきた! このバスは思っていたよりも小ぶりで500g程度。また、同エリア、同様のパターンで480gをキャッチした。
 次に放流バスエリアへ移動して4本キャッチし、リミットメイク&入れ替えを行いこの時点で3000gを越えた。この釣りを40分ほど繰り返したのだが金太郎飴状態でウェイトが伸びず移動することにした。

 移動した先は、朝ビックママをキャッチした西川の溶岩帯へ。この時点で12時、帰着時間まで残り1時間。どうしてこのタイミングで移動したのかというとトーナメント時間内で一番水温が高くなる時間だからだ。この1時間の間でシャローへ上がってくるバスも多いし、なによりフレッシュなバスをキャッチできる可能性が高い。サイトで溶岩帯のシャローストレッチを流していくと数本のバスを確認できた。ウェイトアップのために必要なバスを見つけてパニッシュ70Sで距離をとったアプローチを開始した。しかし、なかなか口を使わない。このバスを狙っていると岩影から同サイズクラスのバスが出てきたのでターゲットを変更することにした。するとバイト!
 過去放流のバスであったがウェイトアップに無事成功して3300gを超えた。この時点で12時30分となり帰着。ウェイインするとリミットメイクする選手が多くないようだった。実は3300g強では優勝には絡めないだろうと思っていたし、優勝は5000gを超えてくるだろうと予想していた。

 そして表彰式。20位、5位、4位、3位とコールが続くが私の名前はコールされない。そして、2位でコールされたのは私だった。優勝が目の前だったために正直なところ嬉しいやら、悲しいやらといった気持ちであったが、いずれにしても喜ばしいお立ち台であった。
 今回の勝因としては、サイトフィッシングを主体としたビックママ攻略と他選手の動向を見極め、エリアバッティングを避けたフィレッシュなバスをターゲットにしたことだろう。また、放流バスを主体とした守りの釣りをせず、パニッシュ70SPのコールアップ力を利用して有意義な前日プラクティスができ、ネイティブ主体の攻めの展開へ持ち込めたことだろうと思う。メンタル的にもパニッシュ70SPに助けられたと思う。
 今年5月1日よりワームが禁止となる直前の大会で準優勝できたことは非常に嬉しいし、なにより皆がワームに頼っていた大会でハードルアーでの展開ができたことは、私の今後の展開に大いに役立つであろうと思っている。
 皆さんも河口湖=ワームという固定概念に囚われず河口湖バスフィッシングを楽しんでいただきたい。


●プリスポーン終盤〜ミッドスポーンバスのタクティクス

 この時期の魚の状態を把握する要因として、まず水温に注目してほしい。これはアウトドアショップなどで販売されている水温計や魚群探知機のツールとしてついている水温センサーを利用することで容易にわかる。ミッドスポーンバスを基点にして考えると分かりやすいだろうと思う。
 まずミッドスポーンは、12℃〜15℃(河口湖では)を基準に考える。前回のレポートでも記述していたが「11℃」というのがプリスポーンからミッドスポーンへ移行するタイミングと考えればコンタクトポイント周辺に魚が存在することは容易に想像できるだろう。そのコンタクトポイントの水深前後をチェックすればバスをキャッチできる確率が非常に高くなるのだ。ルアーは目視できるマッチザベイトでいいし、キャッチしたバスが吐き出したベイトなどを参考にするといいだろう。バス自体は中層にサスペンドしており、ボトムを釣るよりは、シャッドやミノー、クランクで周辺をサーチする方が効率もいいし、バスをキャッチできる確率も上がると思う。
 このレポートをご覧の皆さんの得意なスタイルに上記タクティクスをプラスオンさせれば、バスとの出会いも増えるだろうし、ビックフィッシュを手にすることができるだろう。


●釣行データ

●釣行日:4月28日(中潮)・29日(中潮)  天候:晴れときどき曇り・雨

●ポイント:山梨県 河口湖

●タックル
  ロッド:マルキュー/フカシンシェイクBEAT2、ノリーズ5100LS
  リール:ダイワ/ルビアス2000・セルテートフィネスカスタム2500
  ライン:サンライン/スーパーFCスナイパー3lb+Vハード0.8号 DUEL/X-TEXコブラ5lb
  ルアー:スミス/パニッシュ70SP、スナイプ/バキューム2.5inc

 

トナメントの舞台となった河口湖

 
 

プラクティスを終えて準備万端

 
 

コンディションのいいバスをキャッチ

 
 

価値ある1匹でトーナメントは順調に

 
 

トラウトだけでなくバスにも効果的なパニッシュ

 
 

リミットメイクでウエイイン

 
 

惜しくも2位となったが満足のいく結果

 
 

今回使用したタックル

 
 

サイトフィッシングに欠かせない偏光グラス

 

■高橋 洋一/プロフィール
GENCO契約スミスモニター、ケイテック・プロスタッフ、ケイズラボ(レイクフォース) ・ゴールドモニター。JB:イースタン河口湖A、マーキュリー、JBU、NBCカワハギへ参戦中。
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