●はじめに

 Mリグを始めてはや4年が過ぎ、ARリグを推奨して3年目を迎えようとしている。その間年間を通じてチヌが狙えることがわかり、多くの魚がキャッチされてきた。これはリグの進化が可能にしてきただけでなく、チヌ釣りに魅力を感じるアングラーが増えていることが大きく影響している。
 過去にさかのぼるとチヌ釣りは春〜夏のみの釣りだったように思う。理由は『魚が見えるから』。それは釣り人の心をクスグル大きなもの。やり始めると、知りたいことが増えてくる。キビレの産卵も落ち着き、場所によっては既に河口域に戻ってきている。ここ数年で数千枚のチヌ・キビレを釣り上げた仲間達の情報をもとに、幾つかの結果を集約した。すると、おもしろい結果が見えてきた。一部の人しか知らなかったチヌ・キビレの生態を、今までと違う切り口で紹介したい。


●塩分濃度及び塩分濃度順応能力

 河川における塩分濃度。これは上流域では薄くなり、河口域で濃くなるのは既にご存知だろう。季節的に見てみると、夏薄くなり、冬濃くなる。ここでチヌ・キビレの住み分けによる差を見てみたい。はっきりしてきたのは、上流域ほどチヌ(クロダイ)が濃いというもの。これは生活圏が広いともいえるが、塩分濃度の低いエリアであってもチヌは生きられるということ。厳冬期であっても真水に近い場所で確認することができている。
 一方キビレは、真夏であっても塩分濃度の濃いエリアである河口域から海エリアで多く確認されている。これらのことから、チヌはキビレより塩分濃度に対する順応能力が高いことがいえる。


●水温及び水温変化

 現在、河口域の水温は13℃前後になってきている。真冬から春先の雪融けで、7〜9℃まで下がる河川内において、キビレは数釣れる。チヌはガレ場(ハードボトム)や橋脚や杭、ウィード絡みのカバー&ストラクチャーが多い。一部のエキスパートを除き、クロダイをプラグで釣るのは難しくなるのが冬である。今年の瀬戸内は雨が少なく、昨年迄機能していた場所でもアオサや海苔のようなウィードが残っている。今後例年並みの雨が降ってくれればそれも飛んでくれるはず。期待したい。
 さて、水温が下がれば一時的に食い渋りはみられる。ただし気温が下がってすぐ水温が下がるわけではない。例えば山間部で雨が降ってその雨が土に染み込み河川へ流れ、河口域までたどり着くのに12時間以上は最低でもかかる。つまり気温が低くなった初日はチャンス。魚は寒くなることさえ理解しているように荒食うことがしばしば。キビレにいたってはより深場に固まる傾向にあり、釣れる場所と釣れない場所がはっきりと分かれる。


●水位予知能力

 これはチヌ・キビレに限らず素晴らしい能力を持っている。例えばこの時期潮位がのこる小潮・長潮周りでは干潮時でもシャローに残る傾向にあるが、潮位のマイナスになる大潮周りでは早い段階で流芯、または河口域へ固まる傾向にある。簡単にいうと、同じ下げ潮で潮位が200cmの時、小潮では魚が残っているのに、大潮では既に移動している。これを逆手にとれば固め釣りができることもある。


●水質と光量による食性の違い

 夜釣りメインとするボトムゲームにおいて、「今日は満月だから釣りにくい」なんてことを聞く。これはチヌが光量を利用してベイトを見て、確認して捕食していることを裏付ける内容だ。実際釣りをしていてもそう感じることは少なくない。月がこうこうと照らす状況では、人的プレッシャーを感じやすいことに加え、ラインやリグを違和感とする傾向にある。ただし曇ったり濁りがはいればそれほど感じることもないのも事実。水質にいたっても夏より冬の透明度の増す現在、魚がいても食いにくい傾向にある。キビレよりチヌの方がよく見て捕食していることは間違いなく、頭も良いといえる。


●比較検討、チヌ・キビレ

 以上のことから、チヌ・キビレを比較した場合、次のことがいえる。

・塩分濃度順応能力 クロダイ>キビレ
・水温変化順応能力 キビレ>クロダイ
・水位変化予知能力 クロダイ=キビレ(キビレの方が深場を好む)
・視力&警戒心    クロダイ>キビレ

 干潮からの込み狙い小潮。いわゆる釣りにくいタイミング。上記を踏まえて実釣してみた。こういうタイミングでは魚が散らばり、食いが浅くなる傾向にある。がこの日は強い見方が自宅に届いていた。スミスから2年越しで開発を進めているARリグ専用ジグヘッドと半年前から進めているチヌ専用ワーム。残念ながらまだお見せすることができないが、シャンクの長さを1mm単位でテストさせてもらい、水深や流れのあるなし、フッキングの仕方によって変わるゲーブ巾からテーパーのネムリ角度まで、実釣の中から答えを出していった。おかげでフックに関して相当勉強させてもらった。
 理想系は開発当初から出来上がっていただけに、私の好きな現行のダンシングブリーム「柔」寄りに合わせてある。ようやく最終形になりつつある段階で、発売は来年の春に予定している。ワームにいたってはガルプのサンドワームを追い越すことは難しいと感じているが、波動という面からガルプに並ぶ逸材にまでは仕上げられそうな感触を持っている。
 
 以上、実釣の中から生態を模索してきた結果のみを報告したが、それらをもとに今年も昨年に続き、島廻りの寒チヌの検証を進めて行きたいと思っている。皆さんも是非協力お願いします。

SMITH クロダイ専用ロッド DANCING BREAM発売中! 広島のルアー&フライショップ CATS! で購入すると、マイティーステンレスプライヤーをプレゼント! 通信販売もOK
 

ターゲットの生態を知ることで釣果アップ!

 

塩分濃度で棲み分けを科学する

水温の低下は釣れる場所を絞ってくれる

生態がわかれば釣果はついてくる

冬は水質と光量を見極めたい

現在開発中の専用ワーム。詳細は来年!

■プロフィール/林 太一朗
ロックフィッシュからエギング、チヌ、シーバスにいたるまで、ソルトウォーターゲームならなんでこいのサップ兄貴。スミス・フィールドテスター、ピュアフィッシングモニター
ブログ:With Nature



file:///C:/Documents and Settings/Yoshiaki Ihara/デスクトップ/ANGLER'S WEB SITE/html/FISH!.gif
Copyright (C) 2007 OFFICE GENCO. All Rights Reserved.