●周防大島でF8!

 瀬戸内海で3番目に大きい島、周防大島。この島の久賀と安下庄の港で短時間であるがフィギュアエイトを試してみた。
 愛媛県宇和海発祥のF8(フィギュアエイト)。宇和海フィールドは岸から急激に落ち込んでいる形状から、足下に夜行性の魚が居残りやすい。このことからショートロッドで堤防のヘチを表層からしゃくり、2m刻みでレンジを探るバーチカルF8で昼間のメバルがサイトフィッシングできる。
 さて、瀬戸内海といえば遠浅の砂地海岸という条件が真っ先に思い浮かぶ。中学校を卒業するまでこの島で過ごした私。当時はルアーは高価だったので、手作りの胴付き仕掛けやフカセ仕掛けで堤防周辺にびっしり生える海藻の隙間を狙い25〜30cmのメバルを釣っていた。

 今回は、操作方法と価格がお手軽なアイスジグを使ったF8釣法をひっさげての凱旋帰国(年末年始の里帰りとも言う)。果たして、宇和海メソッドがそのまま通用するのか。瀬戸内海用にメソッドを再構築した方がよいのか、そういった観点でフィールドを駆け回ってみた。



 XL60UL、ステラ2500S、LCライン4lbのタックルを用意し、ラインの先にW2を結ぶ。まずは、久賀港の内側付け根から堤防のヘチを覗き込みながら小魚の群れている場所や宇和海でメバルが隠れているような場所を観察し、W2を垂らし、シャクる。
 堤防内側は、記憶通り浅い。透明度が高いので海底が丸見えだ。まずは内側付け根の敷石、堤防ヘチに垂れているロープ際、漁船や桟橋付近の陰をチェック。何メートルかおきにメバルの群れを発見。ところが、指の爪サイズ。さすがに宇和海でこんな小さなメバルを見たことがなかったのでびっくりした。宇和海はシャローが少ないのでこのサイズのメバルは我々のうかがい知れない場所で密かに生活しているのだろうか。さすが瀬戸内海。岸際が小魚の赤ちゃんたちの生息場所としてきっちりと機能していると感心させられた。

 さらに、この小さいメバルたちがW2の高速立体8の字アクションに反応してきたので二度びっくり。さすがにフッキングして傷つけるのもかわいそうなので誘うが食わせないようにして魚の反応を観察した。少しずつ横移動。すると堤防の真ん中あたりの大きな浮き桟橋周辺に張り巡らされているロープの陰から、今まで見たサイズよりはややでかいメバルが現れW2にバイト。キンメバルだった。



 その後、堤防先端まで探り、堤防外側を折り返して探ろうと思ったら、なんとびっしりとテトラが並んでいる。お手軽簡単な場所での釣りをコンセプトにしているF8ではこれはいただけない。現在構築中のF8 2.0では場所や条件に応じてタックルやルアー自体を交換して狙いのターゲットを釣り上げるメソッドなので問題ないが、今は攻略断念。あくまで宇和海スタイルで遊べる場所だけで釣ることにした。

 付け根まで戻り、外側にあった石積み堤防に行こうとしたら残念。ここもテトラにすり替わっていた。おまけに周辺の海藻はまだ生えそろっていない。時期尚早と判断し、ガソリンスタンド裏にある石積み堤防までランガンし観察を続けた。排水口、大小様々な浮き桟橋、船道といったメバルポイントを探り歩いたが、久賀港はまだ昼間にでかいサイズがウロウロする条件にないようだ。宮崎川河口右側の堤防、古港を観察し、安下庄の港まで移動した。

 安下庄港は、久賀港より僅かに水深が深い感じ。基本通り足下堤防際、漁船の陰、ロープ際、桟橋の隙間をW2でツンツンシャクリながら大きめのメバルを探す。この港は天井効果を発揮するストラクチャーが多い。場所によっては堤防周辺をびっしりと囲い込むような海藻が生えている。お陰でメバルの魚影は濃い。F8アクションへの反応も良好。
 あとはでかいサイズがいればスリリングなファイトが楽しめることだろうと思っていた瞬間、漁船下からいっきにメバルが襲いかかってきた。XL60ULがぐぃ〜んと曲がり、私の後ろで井戸端会議をしていた地元のおっちゃんたちがやんややんやの大騒ぎ。ところがあろうことか、メバルは足下で海藻に突撃。「あちゃぁ〜」と困っていると「わしが獲っちゃる」と声を掛けて、メバルを海藻から取り戻してくれた。地元のおっちゃんに感謝。
 側にいたおばちゃんたちも「ここは小さいのしかおらんよ」と言いつつも「そのサイズなら上等じゃけぇ〜」と誉めてくれた。なんとも和やかなフィールドだ。
 その後も、釣り場状況を観察しながら瀬戸内海メバルの攻略方法を考察。夜の釣りは今回は時間がなかったのでできなかったが、瀬戸内海のメバルデイゲームについて考えさせられたことを以下に紹介する。

●瀬戸内海でF8を楽しむために

1.末広がり堤防、堤防周辺が海藻だらけといった地形的条件対策のためにショートロッドとロングロッドを用意すべし。

2.テトラが積まれている場所もずいぶん増えているので滑らない靴をはき、まさかの落水のために安全装備を万全にすべし。

3.堤防のヘチだけでなく、ちょい沖の海底に海藻群落があり、そこに堤防から離れて休憩しているメバルが隠れている。水深が浅い場所だとサイトフィッシングが可能なのでキャスティングF8を有効活用すべし。

4.近日公開のF8 2.0で詳細は解説するが、ポッパー、リップレスミノー、小型メタルジグ&バイブレーションを駆使して、釣場の条件に応じて釣りやすいリグで攻略すべし。

5.夜の回遊メバルを探しあてる楽しみもあり。潮通しが良く、カケアガリや根が散在し、なおかつ堤防際にベイトフィッシュを集める要素、例えば明かり、吹きだまり、海藻群落といった条件を探し当て、アプローチの方法を考えておくべし。


 これらを考慮して、F8コンセプトを実行すれば、瀬戸内海のメバルも充分楽しめるはず。なお、2008年は私もあちこちに出没して各地のフィールド条件に合致したF8メソッドを再構築していく予定。いつでもどこでも誰にでも、お気軽簡単操作で釣りを楽しんでいただきたい願いを込めて、遠征しまくります。どこかで見かけたらお気軽にお声を掛けてください。

 

【F8(フィギュアエイト)】
フィギュアエイトとは、ラパラのジギングシャッドラップWSRとジギングラップWを使って、水中で立体的な8の字軌道を高速で描き、堤防でいろんな魚を釣ってやろうという遊び方。

【アイスジグ】
縦方向への操作で横方向へのトリッキーなアクションを演出するバランスドジギング。ウインターフィッシングにおいて、氷上での穴釣りに使用することからアイスジグとも呼ばれています。メバルはもとより。季節を問わず活躍すること間違いなし!

 

 

大島大橋を渡ればそこは釣りのパラダイス

 

久賀を流れる宮崎川河口、左には久賀港。右には護岸と古港あり

 

 

宇和海同様漁船の陰にはメバルがいた。それにしても水深が浅い

 

カケアガリ敷石浮き桟橋、三拍子揃ったポイントだ

 

 

撮影拒否サイズはすさまじい群れで存在する

 

 

堤防の穴、テトラの隙間、有望ポイントはどこでも一緒

 

堤防付け根の内側には敷石があり、びっしりの海藻

 

 

僅かな隙間からグッドサイズが飛び出てきた

 

船と堤防の隙間にちぎれた海藻が天井効果を発揮

 

 

時には海藻から引き抜かなければならないことも。
場所によってタックルバランスも変えていこう

 

 

宇和海に多いのは背中がアオっぽい回遊性のタイプ

 

 

■山本 博勝
プロフィール/アマレス、シュートボクシング、柔道など全国レベルの実績を持つ格闘系アングラー。魚類の生態にも詳しく、ラパラなどのルアーテスターを務める。ショア、オフショアを問わず、愛媛、高知をホームグラウンドにSWを楽しむ。シーバスに関してはシャローや磯のサラシでトッププラグゲームを楽しんでいる。


ブログ:アイスジグでF8!〜水面下の攻防記〜
HP:ルアーフィッシング・イン・宇和海

 

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